嵐電北野線の新駅、撮影所前駅が4月1日に開業した。単線の線路の両側にホームを設置した2面1線の駅で、早朝・深夜を除き10分間隔で電車が停車する。JR太秦駅から徒歩約3分の距離にあり、JR嵯峨野線(山陰本線)から嵐電北野線へ乗換え可能な駅となる。

嵐電北野線の撮影所前駅。4月1日の開業当日はあいにくの雨に

嵐電北野線は1926(大正15)年3月に全線開通。同年、太秦地区に「阪妻プロダクション」が開設され、後に東映京都撮影所となって現在に至る。北野線が全線開通90周年を迎える今年、帷子ノ辻~常盤間(帷子ノ辻駅から約270m、常盤駅から約270m)に新駅が開業することになり、東映京都撮影所から近く、沿線利用者や観光客にとってわかりやすく、地域の特徴を生かせるとして、「撮影所前」が駅名に決まった。

北野線新駅はJR太秦駅から徒歩約3分の距離にある

新駅はJR太秦駅から東映太秦映画村(撮影所側の入口)へのルート上にあり、両駅間は徒歩で乗り換えられる。太秦駅・撮影所前駅を利用することで、京都駅から嵐電北野線への電車の乗換え回数も減り、アクセスが向上するという。

北野線沿線には世界文化遺産の仁和寺、龍安寺、金閣寺などがあり、桜が見頃を迎えるこの時期、鳴滝~宇多野間では「桜のトンネル」と呼ばれる車窓風景も楽しめる。

撮影所前駅のホーム延長は約35m。開業当日はあいにくの雨だったが、ホーム全体に上屋が設置されており、早くもその効果が発揮されたようだった。同駅のホームは線路を挟んで西側が北野白梅町行、東側が帷子ノ辻行。北野線の電車は北野白梅町行・帷子ノ辻行ともに進行方向左側の乗降ドアのみ開閉する。