公開初日を迎えた映画『蜜のあわれ』の舞台あいさつが2日、東京・新宿バルト9で行われ、二階堂ふみ、大杉漣、真木よう子、高良健吾、永瀬正敏、韓英恵、渋川清彦、石井岳龍監督が出席した。

映画『蜜のあわれ』の初日舞台あいさつに出席した二階堂ふみ

金魚の赤子を演じた二階堂は「17歳の頃に原作を読んで、ずっと『密のあわれ』を映画にしたいという気持ちでいたので、まさかこうやってお披露目する日が来るとは思いませんでした。実際に今日という日を迎えて不思議な気持ちというか、思い続けてきたものが作品になることはすごくうれしいです」と笑顔を見せた。

相手役の大杉は「二階堂さんは17歳の時と仰っていましたが、私は63歳でこの本を読ませてもらいました」と笑いを誘う場面も。続けて「実は4月2日がこの映画のクランクインでした。二階堂さんと初めて初日を迎えましたが、その時に二階堂さんが赤いドレスを着ながら『おじさま』というセリフで、『赤子がいる!金魚がいる!』と思いましたよ。その一言を聞いた時に何かを味わえる感じがしましたね」と褒め称えれば、永瀬も「金魚が主役の映画は世界初だと思います。金魚をどうビジュアル化するのかと思いましたが、二階堂さんは本当に金魚なんですよ。ずっと金魚に見えてきてすごいと思いましたね」と難役に挑んだ二階堂を絶賛した。

この日も金魚をイメージした赤いドレス姿を着用するなど、プロモーション活動は赤い衣装だった二階堂。「今日で赤納めというか、映画が公開されて色んな方が赤い気分で劇場を出られるんじゃないかという思いです」と語ると、「石井監督から「赤いドレス今日じゃ終わりじゃなくて、もう1年ぐらい着続けて欲しいです」とラブコール。それを受けた二階堂は「赤をもう少し着続けようと思います(笑)」と応じていた。

室生犀星の小説を実写化した本作は、老人と金魚の交流を描くファンタジー。少女の姿に変ぼうする"金魚"の赤子は、一緒に暮らす老作家との恋愛を楽しんでいたが、ある時、幽霊のゆり子が現る…。