母国に「学童保育」のような制度はありますか?

共働き家庭にとっての強い味方「学童保育」。この4月から子どもを預ける予定のご家庭も多いことだろう。この制度、日本独自のものなのか。海外ではどのような施設に子どもを預けているのだろうか。外国人20名に聞いてみた。


Q.母国に「学童保育」のような制度はありますか?

■あると思う
・「あります。韓国は共働き家庭ではなくても、誰でも申し込むことができます。学校によって異なりますが、英語や数学のほか、楽器、パソコン、ダンス、化学実験、美術、マジック、料理などプログラムが豊富です」(韓国/30代前半/女性)
・「ロシアにもそういう施設はもちろんありますが、施設の不足問題があるので子どもを簡単に預かってもらえないこともあります。子どもを預かってもらうために、数カ月前に申請をしなければいけません」(ロシア/20代後半/男性)
・「近年そのような施設が増えつつある」(インドネシア/20代後半/男性)
・「シンガポールも同様です」(シンガポール/20代後半/男性)
・「中国にもある。日本とだいたい同じ」(中国/20代半ば/男性)
・「全ての学校ではありませんが、同様の設備を持っている学校もあります」(エジプト/20代半ば/男性)
・「ブラジルにはありますが、預かってもらうことが難しいです。子どもが多くて入れてもらうのに、何週間も前から(申し込みのために)並んだりする人もいます」(ブラジル/40代前半/女性)
・「あります。日本とほぼ同じですが、保育士が自宅まで来て、子どもの世話を見てくれる場合も多いです」(ベトナム/30代前半/女性)
・「あります。違いは詳しくわからないですが、空きは日本より多い気がします。費用を支払えれば入園できます」(香港/20代後半/女性)
・「あります。子どもを持っていないのでよくわかりませんが、だいたい同じような気がします。でもたぶん預かってくれる時間は、日本より短い気がします」(カナダ/30代前半/女性)
・「ウクライナにはその制度があります」(ウクライナ/20代半ば/女性)


■ないと思う
・「知っている限りは、トルコに学童保育はありません。基本的に、親戚や近所の人が世話をしてくれます」(トルコ/40代後半/男性)
・「ありません。あっても高級住宅地しかそういう施設がありません」(バングラディシュ/20代半ば/男性)
・「台湾は学童保育があまりなくて、子どもたちは放課後、民間の保育機構へ行きます」(台湾/40代後半/女性)


■あると思うが、日本と異なる
・「有料の施設やサービスはありますが、民間経営が多く数も少ないです。ただし、子どもを放課後にスポーツクラブに通わせることは多いです」(オーストラリア/30代後半/男性)
・「あります。でも個人経営が多いので、だいたい口コミで紹介する感じです」(マレーシア/30代半ば/女性)


■総評

調査の結果、多くの国では日本と同様に学童保育のような制度があるようだ。しかし、国によってその状況はさまざま。韓国人の回答者によれば、「英語や数学のほか、楽器、パソコン、ダンス、化学実験、美術、マジック、料理などプログラムが豊富」というように、その内容が充実しているという。一方、ロシア人やブラジル人の回答者のように、「施設が不足していて、全ての子どもが通えない」と感じている人もいた。

一方で、「学童保育のような制度はないと思う」という回答もあった。例えばトルコ人の回答者は、学童保育の代わりとして「親戚や近所の人が子どもの世話をしている」と例をあげてくれた。「一部の地域にしか、学童保育の施設がない」というバングラディシュ人の回答もあった。

日本では女性の就業率の高まりなどを背景に、学童保育の数が増加。厚生労働省の調べによると、日本全体の学童保育は、2015年5月時点で前年に比べ524カ所増の2万2,608カ所となっている。しかし現在、1万6,941人の待機児童が存在するなど課題も山積みだ。保育所と同様に、働く親たちが安心して子どもを預けられるような環境整備が求められている。


調査時期: 2016年2月15日~2016年3月15日
調査対象: 日本在住の外国人
調査数: 20名
調査方法: インターネット応募式アンケート

※写真と本文は関係ありません