スポーツキャスターの高橋尚子がこのほど、東京・六本木のテレビ朝日で行われた、同局系単発番組『Qちゃんに見せたい!厳しい世界』(4月2日16:00~17:30 ※一部地域を除く)の収録後に取材に応じ、慣れないMC業に不安を口にしながら、「機会があればそこに向けて頑張っていきたい」と意欲を示した。
この番組は、厳しい世界でストイックに奮闘する人々を徹底取材するという内容で、高橋が番組のMCを担当するのは、今回が2回目。テレビの収録は「走るよりも緊張の場」だという高橋は、本番を振り返って「皆さんに(番組で紹介する世界の)厳しさを分かってもらえたのかという手応えは、まだ全然つかめていない」と地に足がついていない様子で、マラソンに例えて「今は、"過ぎ去ったゴール"という感じですね」と心境を語った。
今回は、徳光和夫、小藪千豊が出演者に名を連ねているが、「お2人がいらっしゃったことで頼り切りで…」とかなり助けられた様子。その存在によって「この番組の厚みも伝わり方も、全然変わってくると思う」と効果を語り、それぞれのアナウンサーと芸人という世界での、普段は見えない意外な厳しさも垣間見られたことも「すごくうれしい」と収穫だったようだ。
マラソンランナー引退後、スポーツキャスターの仕事を始めたばかりの頃は「テレビ局から帰るときは、落ち込むことの方がとても多かったんです」という高橋だが、「自分は陸上でも弱い選手から上がってきたので、こういった(テレビの)仕事も一気にアナウンサーの方のようにうまくはならないんだ」と考えを転換。毎回「今は中学校の時」「今は高校の時」と自分に言い聞かせて仕事に臨んでいるそうで、新たな仕事が入るたびに「大学生くらいに上がれたかな?」と励みに感じて成長につなげていることを明かした。
この思考を、高橋は"ポジティブ変換"と呼んでいるが、そのきっかけは98年のアジア大会のマラソンゴール地点が、気温35℃・湿度98%という過酷な環境だったこと。最初は不安に感じていたそうだが、ある時「当日の天候がどうなるか分からないのに、こんなに考えても無駄だな。それよりも今腹筋を10回やった方が、力になって楽に走れるようにはるはずだ」と思いついたという。
それ以降は「悪いことも良い方に切り替えて考えていけば、すごく楽に過ぎされるじゃないか!」という思考を持つようになったことを明かし、今後のMCの仕事にも「機会があれば、そこに向けて頑張っていきたいと思います」と意欲を示した。
今回の番組では、全寮制で進級試験に落ちると即退学というプロボートレーサー養成学校、日本一険しいと言われる富山県警察山岳警備隊の雪山訓練、いつ終わるか分からない修行に挑む石川県・東香山大乗寺という、3つの厳しい世界に密着。高橋は「放送時期も春休みなので、子どもたちに厳しいだけでなく、やっぱりその先にあるものを知っていただけたら」と見どころを語っている。