東京メトロは29日、南北線9000系1次車のリニューアルを発表した。01~08編成を対象に内外装の変更や搭載機器の更新を行い、2016年8月中旬から順次運行開始する。
9000系1次車は1991年、南北線が部分開業した時期に導入され、すでに運行開始から20年以上経過している。今回のリニューアルで、内外装ともにやわらかみのあるデザインとなり、外観は現行車両の面影を残しつつ、動きのあるウェーブデザインとした。肩部に識別帯を追加したことで、ハーフハイトタイプのホームドア区間でも見分けられるようになった。
車両設備は同社の最新車両と同等のものに刷新。座席横の仕切りは大型化され、車いす・ベビーカー利用者向けのフリースペースを各車両に1カ所ずつ(1編成あたり6カ所)配置した。これにともない、連結部付近にあったボックス席は撤去される。床材や座席横の仕切りをライトグリーン系(南北線の路線カラー)の配色とし、南北線の車両であることを表現した。
リニューアルにあたり、千代田線16000系4次車で導入した「並列同期 / 休止運転方式」も採用した。車両の冷暖房や照明に使う電力を作る補助電源装置(SIV)に関して、従来は2台のSIVで3両分ずつ電力供給していたが、リニューアル後は2台のSIVが協調し、通常時は2台で6両に電力供給、消費電力が少ない低負荷時は自動的に1台休止して電力供給を行う。低負荷時の稼働台数を減らすことでエネルギーロスを低減でき、より環境に配慮した車両となる。補助電源装置や制御装置に高効率なSiC素子も採用される。
なお、東京メトロ南北線の既存車両のリニューアルは中期経営計画「東京メトロプラン2018 ~『安心の提供』と『成長への挑戦』~」でも触れられており、計8編成を対象にリニューアル工事を実施し、2018年度に完了予定とされている。