説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『どのタイミングで「低電力モード」にすればいい?』という質問に答えます。
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iOS 9で追加された「低電力モード」は、スイッチをオンにすることで以降の消費電力を低減します。CPUパワーを落とし、ディスプレイの輝度を下げ、メールの受信を手動(フェッチ)に切り替え、アプリのバックグラウンド更新を停止し……と、iPhoneの利便性を大きく損なわない範囲で省エネが徹底されます。バッテリー残量は強制的に数値表示されるようになり、否が応でも省エネ意識は高まります。
低電力モードは、バッテリー残量が20%を切るタイミングで現れるダイアログをタップするか、手動で『設定』→「バッテリー」画面を開いてスイッチを操作します。自動的にスイッチが入ることはないため、あるタイミングで手動操作するしかなく、残量が50%の時点なのか40%の時点なのか、ユーザの判断で決定することになります。
結局のところ、充電可能な環境にたどり着いたときバッテリー残量が1%でも残っていれば問題ないわけですから、逆算してちょうどいい時間に低電力モードのスイッチをオンにすることになります。Appleの発表によれば、低電力モードにするとバッテリーのもちは最大3時間延びるそうですから、残量50%の時点でオンにすれば1時間半程度の延命効果は期待できそうです。モードを切り替えるタイミングが遅れると、延命効果はより小さくなりますから、帰宅・帰社が予定より2時間以上遅れるときは、残量が50%、60%の時点で切り替えても遅いほどです。
もちろん、通信機能の利用状況やシステム負荷の程度などによってバッテリー消費量は上下します。残量に不安があるときは、早めに低電力モードへ切り替えるだけでなく、できるだけiPhoneの利用を控えたほうがいいでしょう。
ところで、iOS 9.3では『設定』のクイックアクション(ホーム画面でアイコンを強めに押し込む操作、iPhone 6s/6s Plusのみ対応)に「バッテリー」メニューが追加されました。低電力モードに切り替えるのが面倒でつい後回しにしてしまう、というユーザは覚えておきましょう。