予定では2017年4月にも10%に引き上げられる消費税率。家という大きな買い物だと、この10%はかなりの負担増となります。「すまい給付金」は、そんな負担を軽減すべくつくられた制度です。では実際、どのくらい軽減されるのか、給付を受けられる条件から具体的な給付額まで、すまい給付金の基本をご紹介します。
対象は引き渡しが2019年6月までの住宅
すまい給付金とは前述のとおり、家やマンションなどの物件を買う人の負担を軽減するために給付されるお金。期間的には、消費税率が8%になった2015年4月以降に引き渡しされた住宅から、税制面での特例が措置される2019年6月までに引き渡しされ、かつ入居が完了した住宅が対象です。
これに加え、給付には収入が一定基準以下であることが必須条件。具体的には消費税率が8%のときに年収510万円以下、10%のときに年収775万円以下が目安となります。条件を満たしていることが確認できたら、早速申請してみましょう。
申請方法は「郵送申請」と「窓口申請」の2つから選ぶことができます。郵送申請はすまい給付金事務局に必要書類を郵送して申請する方法、窓口申請は全国に開設されているすまい給付金申請窓口に必要書類を持参して申請する方法です。申請方法や住宅の種類によって必要書類は異なりますので、事前によく調べておきましょう。
申請期限は、住宅の引き渡しを受けてから1年3カ月以内です。書類に不備などがない場合、申請から1~2カ月程度で給付金が支払われます。
独身・年収500万円だと約10万4,200円
これからすまい給付金を申請しようとする人にとって気になるのは、やっぱり給付額ですよね。実は給付額は、収入や不動産登記上の持分割合(ひとつの不動産を複数人でもつときの所有権の割合)によって決定されます。
そのため、いくらと一律に決まっているわけではなく、年収や家族構成によっても差が出てくるのです。一例として、消費税率が8%で住宅ローンを利用することを前提として、国土交通省ホームページ内の「すまい給付金かんたんシミュレーション」を使って、家族構成別の給付額の目安を調べてみました。
取得時の適応消費税率8%、住宅ローンありの場合
・独身で扶養家族がなく年収が500万円前後の会社員の場合: 約10万4,200円
・共働きで子どもがいない会社員夫婦で世帯年収1,000万円前後の場合: 約26万0,200円
・共働きで16歳以下の子どもが2人いる会社員夫婦で世帯年収800万円前後の場合: 約16万7,400円
これらはあくまでも目安で、実際の給付額は住宅の床面積や住宅ローンの支払い方式によっても変わってきます。申請書類の必要項目を見ながら、自分の条件での給付額はいくらになるのかしっかりと調べてから申請すると安心です。一生のうちでも大きな買い物となる、住宅の購入。給付制度を賢く活用することで、よりよい環境を手に入れることができるはずです。この機会にしくみを理解しておきましょう。
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筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)
エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人を送るための知識を伝えている。人生の"やりたい"が"できる"に変わるお金の教養スクール開講中!