Appleはカリフォルニア州クパティーノにある本社で開いたメディアイベントで、iPhone SEを発表した。3月24日から予約が開始され、3月31日に発売される。日本では、SIMフリーモデルで16GBモデルが52,800円、64GBモデルは64,800円(いずれも税別)。
2年ぶりとなる4インチの新型iPhoneは、コンパクトなサイズを好むユーザーの買い換え需要と、低価格のiPhoneを好む新興国でのエントリーモデルとしての役割を担っている。
しかし、お世辞にも成功したとは言えなかった2013年発売の廉価版、iPhone 5cとは異なり、「現存する最高のパフォーマンスを発揮する4インチスマートフォン」と呼ぶべき存在となった。
Appleにとって、年1回だったiPhoneセールスの山を、春と秋の2回に増やすことができ、また1,000万台とも1,500万台ともいわれる新たな販売台数の積み増し効果を期待することができる。
最新のiPhoneを使っているユーザーにとっては、さほど魅力的な選択肢とはならないだろう。しかしAppleにとっては、先進国・新興国において、新たなターゲットの開拓という重要な役割を託すことになる。
新しいiPhone SEは、iPhone 6以降に採用された角が落とされたアルミニウムと、同じく角が丸められたガラスで構成されるデザインではなく、iPhone 5sと同じアルミニウムとガラスの背面を持つ、シンプルで直線的なデザインが踏襲された。
iPhone 5sでは鏡面仕上げとされたエッジ部分は、iPhone SEではツヤ消しの仕上げに改められ、背面の質感も異なっているように感じられた。デザインは同じだが、より重厚感のある手触りとなった。iPhone 5sを使っていたユーザーにとっては、同じ色を選んだとしても、十分に変化を感じることができるだろう。
高さは123.8mm、幅は58.6mmで、筆者の小さな手でもしっかりとグリップし、片手での操作時でも画面全体に親指をリーチさせることができる。厚みは7.6mmで、iPhone 6s Plusよりも3mm厚みがある。ただ重量は113gと、非常に軽い。
なお、iPhone SEには、シルバー、スペースグレーの他に、ゴールド、ローズゴールドも用意され、最新のiPhoneと同様の色を選択することができる。もちろん、Apple WatchやiPad Proとのカラーマッチングも楽しめる。