日本時間の3月22日未明、米Appleはスペシャルイベントを開催した。以前より噂に上がっていた4インチの新型iPhoneが登場したほか、9.7インチの新型iPad Pro、Apple Watchの値下げなど、多岐にわたっての発表となった。
Apple本社内での最後の発表
スペシャルイベントの会場となったのは、Apple本社内のタウンホール。ここは収容人数200人程度の小さなホールだが、過去にiPodが発表されるなど、重要な製品の発表に使われてきた場所だ。Appleの発表会というと世界中から大勢のマスコミが大挙して押し寄せるイメージだが、今回はこの小さなホールが舞台とあって、参加できたのは全員Appleから招待された記者だけとなった。
ちなみにApple本社は2017年に、現在の場所からやや離れたところに現在建設中の「Apple Campus 2」に移転することが決まっている。来年からは故Steve Jobs前CEOによる最後の作品とも言える同社屋が発表会の場となり、現在のタウンホールはこれが最後の晴れ舞台ということになった。
プライバシーへの配慮を改めて宣言
発表会にはTim Cook CEOが登壇。冒頭、Appleが今年4月1日で創立40周年を迎えること、現在「アクティブな」(=使われている)製品が世界中で10億台にも達したことをアピール。これらが誇りであるとともに、責任も重大であるとし、特に人々のプライバシーと環境を守らねばならないと指摘した。
Appleは現在FBIから、テロ容疑者のロックされたiPhoneを解除せよと迫られているが、顧客のプライバシーを理由にこれを拒否。製品に対するバックドア(政府などが暗号化を強制的に解除できる仕組み)の義務化にも反対しており、IT業界全体を巻き込んだ議論になっている。当然この事態を前提とした上で、絶対に顧客のプライバシーを侵害しないと宣言し、大きな拍手を受けた。