スギ花粉が本格的に飛散するシーズンとなり、そこかしこで花粉症患者のくしゃみが聞こえていないだろうか。本来ならば、飛散開始前に内服薬や点眼薬を使用しておくのがベストだが、今からでもまだ遅くはない。医師からの処方薬によって、症状が緩和できる可能性があるからだ。
ただ、アレルギー症状に悩んでいても、生来の医者嫌いだったり、多忙で受診時間がつくれなかったりなど、医師に診察してもらった経験がない人もいる。この人たちは、花粉症にまつわる診察についてどのように考えているのだろうか。
このほど、花粉症に悩むマイナビニュース会員300名に「花粉症に関する受診歴の有無」とその理由を聞いてみたので、本稿では受診歴がない人の意見を紹介しよう。
Q.花粉症の症状を診てもらおうと、これまでに受診した経験はありますか
はい(40.0%)
いいえ(60.0%)
Q.「いいえ」と回答した人にお聞きします。なぜ、医師に診察してもらおうと思わないのか教えてください(複数回答可)
1位: そこまでひどい症状ではないと感じているので(28.9%)
2位: 市販薬で対応できているので(27.2%)
3位: マスクやサプリメントなどの対策アイテムで間に合っているので(22.2%)
4位: 医療機関に行くのが面倒に感じるので(17.8%)
5位: 病院に行っても根本的な治療や解決につながらないと考えているので(15.0%)
■そこまでひどい症状ではないと感じているので
・「その時期は病院が混んでいるので、そんなにひどくないしいいやと思う」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)
・「なるべく薬などには頼りたくないし、何とか我慢できる症状だから」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)
・「どこかが痛いとかではないので、時間がとれないとやめてしまう」(24歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/営業職)
■市販薬で対応できているので
・「色々な治療法があるらしいが、何度も病院へ行かなければいけないらしく、出費が心配。保険が使えるのかどうかもよくわからないから」(24歳女性/食品・飲料/専門職)
・「市販薬が効かなくなったら病院に行こうと考えている」(32歳女性/運輸・倉庫/秘書・アシスタント職)
・「忙しくて時間がないし、医者に行く間にも外に出て花粉にさらされたくない」(27歳女性/金融・証券/営業職)
■マスクやサプリメントなどの対策アイテムで間に合っているので
・「あまり花粉症でお金をかけたくないからです」(23歳女性/その他/専門職)
・「あまり症状が酷くないのと、何科を受診すれば良いのか分かりません」(32歳女性/ソフトウェア/事務系専門職)
・「対応マスクをする」(46歳女性/医薬品・化粧品/販売職・サービス系)
■医療機関に行くのが面倒に感じるので
・「医療費もバカにならない」(26歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「実際に時間がないし、効果に疑問が残る。これにつきるから」(27歳女性/団体・公益法人・官公庁/その他)
・「会社を欠勤して病院に行くほどではなく、市販の鼻炎薬でおさまるため」(32歳女性/小売店/事務系専門職)
■病院に行っても根本的な治療や解決につながらないと考えているので
・「抜本的解決をしないだろうから」(28歳男性/建設・土木/技術職)
・「病院が苦手なので」(42歳女性/小売店/営業職)
・「結局お金をかけても完治するものではないと思うから」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
■総評
「今までに花粉症で受診した経験がない」と回答した割合は6割という結果となった。最も多く選ばれた理由は「そこまでひどい症状ではないと感じているので」(28.9%)。目のかゆみやくしゃみ、鼻づまりなどに悩まされているものの、お金と時間を投資して受診をするまでの症状ではない人が多いようだ。
僅差の2位には「市販薬で対応できているので」(27.2%)が入った。こちらも1位同様、アレルギー症状がそこまでひどくない人からの支持を集めていたほか、「病院だと大げさに感じる」(36歳男性/小売店/販売職・サービス系)といった声も少なからずみられた。
22.2%の3位は、「マスクやサプリメントなどの対策アイテムで間に合っているので」だった。マスクなどの比較的廉価な対策アイテムで、つらいシーズンを乗り切ってきた人も多いようだ。全体的にみても出費面を気にする声が目立ち、毎年症状が出るだけに、少しでも金銭面の負担を少なくしたいと考えている人が多かった。
ちなみに、15.0%の人が「病院に行っても根本的な治療や解決につながらないと考えているので」と回答しているが、近年は「舌下免疫療法」と呼ばれる根治療法が注目を浴びている。スギ花粉エキスを体内に投下し、徐々に体のアレルギー反応を軽減させることを目指す治療法で、スギ花粉による症状が緩和できたという臨床試験例も報告されている。自分でできるというメリットもあるため、根本から花粉症を何とかしたいという人は、一度医療機関に相談してみるといいだろう。
※写真と本文は関係ありません
調査時期: 2015年11月5日~11月7日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性116名 女性184名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート