テレビ東京系のバラエティ番組『開運! なんでも鑑定団』(毎週火曜日 20:54~21:54)が番組内容のリニューアルを行い、19日の初回収録後の記者会見に、司会の今田耕司と福澤朗が出席し、自身の「お宝」エピソードを披露した。
視聴者が持ってきた"お宝"の価値を鑑定士軍団が判断する番組内容に合わせて、司会の2名の持つお宝に話が及ぶと、福澤は少年時代にもらったサインのエピソードを話した。
小学校時代、漫画家・赤塚不二夫の仕事場がすぐそばにあり、福澤が色紙を持って「サインをください」とお願いをすると、「先生は今忙しいから、明日のこの時間に取りにおいで」と言われた。翌日行ってみると「天才バカボン」のサインをもらったという。サインを渡してくれた青年に「お兄さんは何なの?」と聞いたところ、見習いの漫画家だと言う、ついでにサインをもらったが、実はその青年がのちに『釣りバカ日誌』を描く漫画家・北見けんいちだったというのだ。福澤が『鑑定団』に出て鑑定してもらったところ、その価値は数万円だったが、「僕の中では何十万円もするような大事なものです」と語った。
一方今田は、赤塚に描いてもらった「オバQ(オバケのQ太郎)」の絵についてのエピソードを披露した。20年ほど前に赤塚と仕事で一緒になった際、有名漫画家たちが青春を過ごしたアパート「トキワ荘」の話題になり、赤塚とともに住人だった藤子不二雄Aの「オバQ」を描いてほしいと頼んだ。赤塚は「オバQは描いたことねーよ」と言いながら書いてくれたが、うろ覚えだったため、今田いわく「へたくそだけどいい絵」だったという。しかし今田は「しわにならないように雑誌に入れて保管していたら、いつのまにかなくしてしまった」と話し、「いまだに、なくさなければよかったと思っています」と後悔の念をにじませた。
福澤が「よく赤塚先生にオバQを頼みましたね」と驚くと、今田は「赤塚先生の『描いたことないけどいいよ』と言った時の笑顔を思い出します。20代で東京に出てきたばかりの、どこの馬の骨かもわからない僕らにすごく優しかったんですよ。地位とか、えらいとか全然関係ない人なんだな、こういう人が『天才バカボン』みたいな作品を生み出せる人なんだなと思いました」と、赤塚の懐の深さをしみじみと思い出していた。