東芝は3月17日、東芝メディカルシステムズの売却を決定し、キヤノンと株式等譲渡契約書を締結した。なお、譲渡金額は約6,655億円となった。

東芝メディカルシステムズの異動方法は?

東芝では3月9日に同社ホームページ上で「東芝メディカルシステムズ株式会社の売却に係る独占交渉権付与について」を発表。このなかで、キヤノンに東芝メディカルシステムズ売却における独占交渉権を付与して交渉を進めていることを発表しており、このたび最終合意となった。

決済については3月17日で完了した。東芝メディカルシステムズは、主要各国の競争法規制当局からクリアランスを得られた時点でキヤノンの子会社となる。それまでの期間はMSホールディングが東芝メディカルシステムズの議決権を保有する。

今回の売却取引に先立ち、東芝メディカルシステムズには東芝アメリカ社が保有する東芝アメリカメディカルシステムズ社等の株式が譲渡されている。この対価は譲渡金額の約6,655億円とは別に、東芝メディカルシステムズから東芝アメリカ社に約225億円支払われている。

今後の会計見通しは?

東芝の所有する東芝メディカルシステムズの全株式が譲渡されたことを受け、2015年度に売却益として認識できた場合は約5,900億円(連結、税引前損失、概算)と計上する見込みだ。なお、会計処理については、現在慎重に検討しているとのこと。

東芝メディカルシステムズは、米国会計基準のAccounting Standards Codification205-20「財務諸表の表示 - 非継続事業」に従い、東芝の2015年度連結損益計算書上非継続事業として取り扱われる方針だ。これにより、東芝の2015年度連結損益計算書における売上高、営業損益、継続事業税引前損益については、東芝メディカルシステムズに係る経営成績は含まれない見込みとなっている。