イタリアのフェラーリは、ジュネーブ国際モーターショーで「GTC4Lusso」を発表した。排気量6,262ccのV型12気筒エンジンをフロントに搭載した4シーターモデルで、走行性能だけでなく車内の快適性も大幅に高められている。

同モデルのネーミングは、「330GTC」や「250GT Berlinetta Lusso」に由来する。エクステリアはシューティングブレーク・クーペのコンセプトを洗練させ、4名の搭乗者に対して充分なスペースと快適性、ゆとりあるラゲッジ・コンパートメントを確保しながら、ルーフ後端で低く落ちるフォルムを実現した。冷却性能を高めるため、フロントに大型のシングル・グリルを採用し、そこに複数のエアインテークを設置している。これらは車体への高圧気流を効果的に活用し、ラジエターなどを冷却する。

排気量6,262ccのV12エンジンは、等長の6-1エグゾーストマニフォールドや新設計の電子バイパスバルブ、全回転域およびすべてのスロットルレスポンス状況におけるエンジンハーモニクスなどの緻密な研究により、キャビン全体を包み込む独自のエグゾーストサウンドを奏でる。最高出力を690PSまで強化されており、パワーウエイトレシオは2.6kg/PSを誇る。最大トルクは697Nmとなっており、わずか1,750rpmからこの最大トルクの80%を発揮するため、低回転域でも力強い走りが可能となっている。最高速度は335km/h、0-100km/h加速は3.4秒。

駆動系には改良型4RM EVOシステムを採用。後輪操舵機能を統合することにより、新たにフェラーリが特許を取得した4RM-S(4輪駆動、4輪操舵)システムとした。改善を図った前輪のトルク・マネジメントにより、コーナリングの際のトルクの伝達効率がさらに向上。従来の4WDシステムに比べてシステム重量を50%に抑えるとともに、車両重量の53%を後輪に分配するフェラーリ独自の特許技術PTUも活用されている。