エマーソン・レイク・アンド・パーマーの結成メンバーでキーボードのキース・エマーソンの死が、自殺によるものだとロサンゼルスの検死機関が判断した。
10日にサンタモニカの自宅で亡くなっているところを発見されていたが、38口径の銃で頭部を撃って自らの命を絶ったと検案書が出された。さらに、同市の福祉保険局の広報担当は、死亡時にキースは心臓病やお酒による気分の落ち込みも患っていたと明かした。
長年のパートナーであるカワグチ・マリは以前インタビューの中で、キースは右手の神経にダメージを受けたことでキーボードの演奏に影響が出ており、予定されていたツアーを前に精神的に苦しめられ続けていると話していた。「キースは悪い部分の筋肉を摘出する手術を数年前に受けました。ですが、右手の痛みと神経の問題は悪くなる一方でした。彼はファンをがっかりさせたくなかったのです。完璧主義者でしたし、その完璧に演奏しようとする考えが、彼の気分を落ち込ませ、ナーバスにさせ、不安にさせたのです」
カワグチがサンタモニカの自宅マンションに帰宅した際に、キースが死亡しているところを発見。バンドで長きに渡り時を共に過ごしたカール・パーマーがキースの死を公にし、友のために追悼コンサートを開催するつもりだとも発表していた。「キースは今後も唯一無二の存在として君臨するキーボードプレイヤーとして音楽への愛、パフォーマンスへの情熱をもった優しい魂の持ち主です。パイオニアであり革新者であった彼の音楽はロック、クラシック、ジャズの世界で全ての人の心をつかみました」とカールのウェブサイトに声明が出されていた。
1970年に結成されたエマーソン・レイク・アンド・パーマーは『カルカス』『恐怖の頭脳改革』などを含むアルバム9枚、ライブアルバム17枚を世に送り出している。2010年にハイ・ボルテージ・フェスティバルでバンド結成40周年を記念してバンドとして最後となるライブを行った。バンド活動をしつつも、キースはソロでも音楽を発表しており、ソロアルバムを出したり、1980年ダリオ・アルジェント監督作『インフェルノ』や1981年シルヴェスター・スタローン主演作『ナイトホークス』で映画音楽も手掛けたりしていた。生涯の伴侶となったカワグチとは、2人の息子をもうけている。
(C)BANG Media International