3月、4月というと卒業や入学、入社や部署異動に伴う引っ越しが増える時期ですね。この時期に賃貸アパートやマンションの更新時期を迎える人も多いのではないでしょうか。契約更新と言うと何かとお金がかかるイメージが強いですが、場合によっては家計を大幅に浮かせるチャンスでもあります。今回は、賃貸住宅の更新にまつわるポイントを順を追ってご紹介します。
途中から「更新料なし」は難しい?
アパートやマンションなどの賃貸住宅は、そのほとんどが2年間の賃貸契約になっています。契約期間が満了した後もその住宅に住み続ける場合、賃貸更新料が発生します。更新料の相場は家賃の1カ月分であることが一般的ですが、なかには2~3カ月分などというケースもあるようです。
更新月には少なくも通常の倍以上の金額負担になるため、更新料をめぐるもめ事も少なからず起こっているようですが、最初の賃貸契約時に更新料の額を含めた賃貸借契約書にサインをしているはずなので、支払わないというわけにはいきません。賃貸住宅に住んでいる人にとって更新は憂鬱(ゆううつ)なものですが、考え方によっては、更新時は家賃交渉の絶好のチャンスとも言えます。
とは言っても、やみくもに「家賃を下げてほしい」とお願いしても意味がありません。まず、今住んでいる近郊の賃貸住宅の相場を調べましょう。例えば、同じマンションに同条件の空き部屋があって、その部屋が今自分が支払っている家賃よりも安い値段になっていた場合、同額まで家賃を下げてもらうことができるかもしれません。もし空き部屋がない場合でも、現在の家賃が相場よりも高いという根拠を見つけられれば、家賃交渉の成功率も上がってくるでしょう。
「法定更新」で家賃交渉継続を
更新の時期になり、管理会社から更新契約書が送られてきたら、先述した近郊賃貸住宅の賃料情報と共に家賃交渉依頼を書面にして返送しましょう。この時、交渉が成立しなかった場合は引っ越しをするなどの具体的行動を示すことも大切です。家賃交渉の書面を送ったら、管理会社(もしくは大家)からの返事を待ちます。
要望通り値下げに応じてくれるとは限りませんが、値下げを断られたり、返事がなかったりした時、納得できなければ更新契約書にサインをする必要はありません。これは、貸す方、借りる方、両者の合意がないまま更新期限を過ぎた場合、今までの契約内容のまま自動更新される「法定更新」という制度があるためです。この場合、更新料支払い義務もありませんが、たいていの場合は管理会社から何かしらアクションがあり、話し合いの場がもたれることになるでしょう。
家賃交渉と言うと、難しいことのように思えますが、周囲の環境や築年数などによって家賃の相場は変化するものです。更新時には家賃交渉の余地がないか調べてみてはいかがでしょうか。
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筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)
エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人を送るための知識を伝えている。人生の"やりたい"が"できる"に変わるお金の教養スクール開講中!