平成仮面ライダーシリーズの第1弾にあたる特撮テレビドラマ『仮面ライダークウガ』のBlu-rayが東映ビデオから発売されている。1月6日に発売された「Blu-ray BOX VOL.1」は、当時のSD素材をもとにアップコンバートが行われ、最新のHD化を実現。当時とは比べものにならない高画質のマスターによる"復活"が叶ったことで、『クウガ』ファン待望の映像商品になりえている。
さらに、3月9日に発売された「Blu-ray BOX VOL.2」では、映像特典としてオダギリジョー(五代雄介役)、葛山信吾(一条薫役)、荒川稔久氏(シリーズ構成・脚本)、石田秀範監督、阿部卓也氏(キャラクターデザイン)、野中剛氏(キャラクターデザイン)、高寺成紀プロデューサーの証言で構成されるドキュメンタリー『「検証」~ドキュメンタリー・オブ・クウガ~』が収録されるのも大きな話題となった。
さる1月28日には、新宿バルト9にて『「検証」~ドキュメント・オブ・クウガ』上映+キャストトークショー/「仮面ライダークウガ スペシャルナイト」が開催され、かつての出演者、プロデューサーがステージに駆けつけて『検証』を見た感想や『クウガ』撮影当時の思い出を語り合った。
「スペシャルナイト」ではBlu-ray発売に先がけ、この『「検証」~ドキュメント・オブ・クウガ』を先行上映したあと、ステージに葛山信吾、松山鷹志(杉田守道役)、酒井一圭(ゴ・ガメゴ・レ役)、たなかえり(笹山望見役)、千崎若菜(五代みのり役)が登場。当時『クウガ』のプロデューサーを務め、作品世界の骨子をつかさどる役割を果たした高寺成紀氏が司会進行を務める形でトークが始まった。
クウガ/雄介を警察の立場からバックアップする頼もしい相棒・一条薫を演じた葛山信吾は、「僕自身は、役者として与えられた役を一生懸命に演じるという形で参加しましたが、関係スタッフの思いを映像で見て、あらためて感心しました。今後、役者を続けていく中で悩んだら、これを見ようと思いました」と、『検証』の内容を真摯な姿勢で絶賛した。
警視庁捜査一課の刑事で、クウガを仲間と認めて共に戦う杉田守道役・松山鷹志は「台本が前日や当日に来る時があって、セリフが覚えられずアドリブを入れたこともありました」と撮影当時の苦労を振り返りつつ、「自由に芝居をさせてもらって、楽しい思い出しかない。共演者との別れが寂しくて、終わりの時は泣いた」とはにかんだ。
未確認生命体第39号ことグロンギ族のゴ・ガメゴ・レ役の酒井一圭は、作品中で印象的だった「グロンギ語」で観客にあいさつして喝采を浴びたあと、「製作スタッフの尋常じゃない熱量を感じた」と『検証』の感想を興奮気味に語った。途中、高寺の進行があまりにもフリーダムすぎるため、酒井がマイクを奪って急遽司会進行を買って出るという、頼もしいひと幕も見られた。
合同捜査本部の婦警で、グロンギ出現の報を知らせる笹山望見役・たなかえりは「15年も前の作品について語っているとは思えない。そのくらいみんなの心に熱いものが残っている」と、『検証』でのスタッフ証言の熱気を振り返った。『クウガ』当時の思い出を尋ねられると「当時、桜井刑事(米山信之)と恋仲になるって話もあったんですけど、メインのストーリーと関係ないのでなくなったって聞きました」と、裏話を明かしていた。
優しい保育士で、雄介の妹・みのりを演じた千崎若菜は、「お兄ちゃん(オダギリジョー)は番組が終わっても、ずっと私を妹のようにかわいがってくださって、私が悩んだ時はいつも話を聞いてくれて……、たぶん私の過去で知らないことがないと思います」と、当時から続くオダギリジョーとの交友関係を語った。
『検証』にも出演し、作品の成立過程から「今までにないヒーローを創造する」作業の苦労を語った高寺成紀氏は、「実は『検証』では僕のパートだけで6時間も収録していたんです。それだけ語っても、まだ足りない。このあと大阪でもイベントがあったり、ラジオでもしゃべったりしていますが、まだ語り尽くすことができません。『クウガ』を作っていた1年間があってよかったと、自分でも思っています。本当に「賭けた」1年間でした」と振り返った。
『仮面ライダークウガ スペシャルナイト』の模様は5月11日発売の『仮面ライダークウガBlu-ray BOX VOL.3』に収録される。