hyakkaは、DNP(大日本印刷)が運営するソフトウェア販売サイトである。ベンチャー・中小企業向けにクラウドソフトウェアを販売する。

販売と同時に、セミナーなども開催している。今回のクラウドフェスタは、「学び」「体感し」「試す」をキーワードに各ソフトウェアの展示やセミナー、ワークショップなどが開催された。今回は、AOSモバイルがリリースする企業用メッセンジャーInCircleをレポートしたい。

展示ブースではPepperが登場

最初に展示ブースを訪問した。まず、目についたのはPepperである。感情認識機能を持ち、受付などの業務をこなす。AOSのブースでは、InCircleと連携し、受付のデモを行っていた。Pepperに向かって「InCircle」と呼びかけると応答する。

図2 Pepperに訪問先を告げる

さらに、訪問先を告げる。すると、PepperがInCircleを使い、訪問先のトークルームにメッセージを送る。訪問先では、図3のようなメッセージを受け取る。

図3 訪問先が受け取るメッセージ

こうして、Pepperが受付をこなしていく。実際に生で見て、ロボットもここまできたかと感じた。Pepperも頭をなでると喜んだり、触れているだけでもおもしろい。

InCircleで漏えいリスクを減らす

セミナーでは、AOSモバイルInCircle事業部営業部長の小川洋子氏が登壇した。法人向けのメッセンジャーのInCircleを紹介する。

図4 Pepperのデモをする小川洋子氏

まずは、スマートフォンをとりまくセキュリティ問題を取り上げた。紛失や盗難により情報漏えいが発生しやすい。図5は、漏えい対策である。

図5 情報漏えい対策

ここで重要なのは、個人向けのアプリを使用しないことだ。一般的なSNSなどでは、友人を広げる傾向にある。プライベートでは友人を増やせるが、ビジネスではリスクを増やすようなものである。それ以外にも、図6のようなリスクが存在する。

図6 個人向けチャットやSNSの問題点

さらに小川氏は、InCircleの開発経緯を紹介した。

図7 InCircleの開発経緯

これらは、AOSリーガルテックに持ち込まれたLINEなどのデータ復旧案件である。同様に、紛失したり盗難されたスマホからデータの復旧を依頼されれば、重大な情報漏えいになりかねない。こういったフォレンジックサービスを通じ、個人向けのSNSの業務利用の危険性に着目し、紛失や盗難にも対応できる安全な企業向けのメッセンジャーを開発した。まとめると、図8のようになる。

図8 InCircleのセキュリティ

結果、図9のように、情報漏えいの50%を防ぐことが可能になる。

図9 情報漏えいの実体

その後、InCircleの導入事例などが紹介された。

InCircleで時代性を捉え最強のチームを

最後に、InCircleのさらなる活用方法を紹介した。まず、時代性であるが、図10を見ていただきたい。

図10 ミレニアル世代

2020年、ミレニアル(ゆとり)世代と呼ばれる就労者が半数以上になる。古い世代ならば、図10にあるように宴席でのコミュニケーションがメインであった。しかし、コミュニケーションの方法は、大きく変わってきた。今後、この世代といかにうまくコミュニケーションをとっていくかが必須となる。具体的には、

  • モチベーションを高める
  • やるべきことを丁寧に伝える

といったことが求められる。そのためのツールとしても、有効である。

図11 互いに褒め合える土壌をつくる

人は褒められることでドーパミンを分泌し、それが幸福感ややる気へと繋がる。ただし、そのタイミングが重要である。ここで、AOSでの実際の事例を紹介した。AOSでは複数の会社で構成されているため、すべての業務を把握することがむずかしい。そこで横断的に、よい案件や情報があった場合に報告するルームを作った。社員A(実は小川氏である)が、書き込みを行うと、間髪いれず、社長、他の社員からメッセージが届く。営業として報われた思いで、心から満たされたとのことだ(当然、次へのモチベーションになる)。さらに、チャットでは、褒めることへの心理的なハードルも非常に低くなる。メールではできないことだと、小川氏は指摘する。こうした試みの1つ1つが、ビジネス現場を最強のチームへと導くのである。

また、情報のあり方、共有の方法も変化してきている。

図12 情報共有に時間や手間をかけない

まず、情報共有の方法であるが、営業ならば営業支援のSFA、顧客管理にはCRM、社内にはグループウェア、イントラネットには掲示板がある。さらに、メールや携帯電話もある。はたして、どれが最適なのか、すべて必要なのだろうか。小川氏は、必ずしも現在のビジネス環境にあっていないのではないかと指摘する。情報はいたるところにあふれている。しかし、逆に余計な時間や労力をとられてはいないかと懸念する。

InCircleのようなメッセンジャーの特徴をあげるとすれば、以下であろう。

  • 操作が容易
  • 連絡、情報共有が速く、会議などの時間の短縮
  • 写真添付やリアルタイムによる臨場感の高さ

なぜLINEユーザーが多いのか(国内では約6000万人)。やはり、情報共有しやすいからである。前述の時代性もあるが、便利なものは、みんなが使うのである。その良さを活かしつつ、ビジネスでも利用可能な、安全なコミュニケーションツールがInCircleといえるだろう。AOSモバイルでは、SaaS版の無料トライアル版も提供している。

図13 無料トライアル申し込みページ

SaaS版の製品価格は、30ユーザーまで月額4500円(1ユーザー150円)である。興味を持たれたのであれば、検討してみてほしい。