ノルウェーのOpera Softwareは3月10日(現地時間)、パソコン用のOperaブラウザの開発版に広告ブロック機能をネイティブ実装した。
広告ブロック機能を統合した理由について、Oepraは高速で快適なブラウジングの実現を挙げる。既存の拡張機能を用いた広告ブロックでも、広告で重くなっているWebサイトの読み込み時間は短縮される。しかし、広告ブロックには、ユーザーが開いているサイトやページを分析して、その要素をブロックリストに照らし合わせる作業が必要であり、広告ブロックもまた読み込みを遅らせる一因になっている。Operaは、ブロック判定をネイティブなコードと高速なアルゴリズムで処理し、判定に伴う速度低下を小さく抑えている。「Webエンジンの段階でブロックが行われるので、従来の拡張機能による方法に対して圧倒的な速度向上を実現している」とOperaのKrystian Kolondra氏は述べる。
Operaによると、Google ChromeとAdBlock Plus拡張の組み合わせと比べて、Operaの広告ブロックによる読み込みは平均45%も高速だという。ブロックリストにはEasyListを用いており、また行動追跡ブロックにはEasyPrivacyを使用している。
Operaの広告ブロック機能のもう一つの特徴が、ユーザーによるコントロールだ。広告は全てが有害なのではなく、ユーザーにとって有益な広告も多い。そうした広告がユーザーに届くようにすることで、Webのエコシステムは繁栄する。
Operaの広告ブロッカーは初期設定では無効になっており、ブラウジング中にブロックできる広告の有無をチェックしてユーザーに知らせる。特定のWebサイトに対する広告ブロックのオン/オフは、アドレスバーにある盾の形をしたアイコンをクリックして切り替える。特定のサイトで広告ブロックをオフにすると、そのサイトは例外リストに追加される。例外リストは設定画面で編集可能だ。また広告ブロック機能のアイコンから、アクセスしているページでブロックされた広告数、過去にブロックした広告数、広告ブロックによる読み込み時間の差といったデータを確認できる。広告がブラウジングに与える影響をユーザーが確かめながらブロックを実行できるスマートな仕組みになっている。