3月10日、finalの新作ヘッドホン「SONOROUS III」「SONOROUS II」が発売された。いずれもヘッドホン「SONOROUSシリーズ」のエントリーモデルという位置付けになるが、約630,000円の最高級モデル「SONOROUS X」と同じ技術を注ぎ込んでいるという。さっそく、その実力をチェックしてみた。

SONOROUS III

「III」と「II」の特徴は、「X」の制作段階で開発された「フロントプレート一体型チタン振動板ドライバーユニット」を採用していることだ。パーツは「X」そのままとはいかないもの、共振を抑え明瞭な音質を実現するという。「X」のキモとなっていた技術だけに、音質への期待は否が応でも高まるものだ。

「III」と「II」の外観や基本スペックはほぼ共通だが、内部の構成部品とチューニングが若干異なるという。finalは音質の傾向について、「III はモニターライクな音質と広大なサウンドステージを両立、IIは高域の倍音再生に優れ、情報量の豊かなサウンドを実現」と説明しており、筆者はその点を意識しつつサウンドチェックを行ってみた。プレーヤーには、Astell&Kern「AK120II」を使用。ハイレゾ音源に加え、CDから作成したFLAC(44.1kHz/16bit)ファイルを試聴した。

フロントプレートとドライバーユニットを一体化することで共振を抑制する「フロントプレート一体型チタン振動板ドライバーユニット」を採用

ハウジングは硬質ABS製。シボ塗装を行うことで不要な振動を抑制している

推定市場価格は、「III」が43,800円前後、「II」が37,800円前後(いずれも税別)。「III」と「II」の外観はロゴ以外共通