ベネッセ教育総合研究所は3月8日、「幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査 2016年」の結果を発表した。調査は子どもが年少児から小学1年生までの縦断調査となっていて、2012年1月~2015年3月の期間に4年間参加した母親544名から回答を得た。
はじめに小学1年生の時点で子どもの家庭学習の様子をたずねたところ、「大人に言われなくても自分から進んで勉強をする」と回答したのは、66.3%だった(「とてもあてはまる」「まああてはまる」の合計)。この結果をもとに、年長児期の学習準備のどれが、小学1年生で「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」に影響するかを分析した。
その結果、「夜、決まった時間に寝ることができる」などの「生活習慣」7項目、「物事をあきらめずに、挑戦することができる」などの「がんばる力」4項目、「ことば遊びができる」などの「言葉の力」6項目について、年長児期、高い得点を得ている子どもに「自分から進んで勉強する」比率が高い傾向が見られた。
次に年長児期における、親が「子どもの意欲を尊重する態度」と子どもの「がんばる力」の関係性について調べた。結果、「子どもの意欲を尊重する態度」が高い親の子どもほど、「がんばる力」が高くなる傾向が見られた。同様に、子どもの意欲を尊重する態度が高かったり、「子どもの思考を促す関わり」「学びの環境を整える関わり」が大きかったりする親の子ほど、「言葉の力」は高い傾向が見られた。
同研究所は4年間の調査を総括して、「年少児までに『生活習慣』を身につけることが、年中児の『学びに向かう力』へつながること、そして、そこで養われた『学びに向かう力』が、年長児の『文字・数・思考』の力を育てることがわかった」と分析。その上で、「その後、小1期には、『文字・数・思考』の力や『学びに向かう力』が学習態度を育てていく関係性が見えてきた」とコメントしている。