--最後にカスタマ、そしてユーザーを含めた読者に一言いただければと思います

先ほど、別の地域で別のメーカーが、日本の顧客に向かって製品を作ってる話をしましたが、みんな自分のビジネスの文化があるんですよね。昔のようにみんなが各地域でビジネスをやってきていた時代はそれで問題はなかったのですが、グローバル化により競争相手も全世界にいるわけです。今、日本はまさしく、海外のメーカーからグローバルな競争を仕掛けられている。

そうした状況から、個人的には、戦い方を変えないといけないと思うんですよ。単に方法論だけでなく、そのスピードや判断・責任といった事も。皆が協力して、全員が合意したら先に進みましょうという日本のこれまでのやり方、それは美しい文化だとは思うんですが、グローバルな競争の中でそういった時間は残されていないと思うんです。だれかが指揮をとらないといけない。特に自動車などは如実ですね。そうしないと、下手をすると通信のように、海外からやってきた連中にガーッとマーケットを奪われてしまうことになる。

--そうしてグローバルな競争をしていくために、ザイリンクスの製品が武器になる、と

その通りです(笑)。高性能な製品を使うほど大きな武器になるはずですので(笑)。

インタビューを終えて

今回のインタビューは、ほとんど自社製品の話というよりは、マーケットの概況と人材不足に話題が終始した感がある内容であったが、これはこれで大変に興味深いものであった。こうした話は同社に限ったものではなく、外資系の半導体ベンダ全般から聞くことができ、その多くが「どうグローバルの競争を勝ち抜くのか」という観点からの話になる事が多い。まずは国内のシェアを獲得して足場を固めて…といった悠長な戦略を由とするベンダは見たことが無い。もちろん、その理由の最たるものが、自分達自身がそうやってグローバルな競争を勝ち抜いてきたからという話でもあり、かつ本国から遠く離れた日本という地域をいかに攻略するかが課せられた使命でもあるからだろう。そういった意味も含め、色々と示唆に富んだインタビューであったと思われる。