コーレルが扱う「VideoStudio」シリーズは、高機能なビデオ編集ソフトの定番だ。ここでは去る2月26日に発売された最新バージョン「VideoStudio Pro X9」について、新機能を中心に紹介しよう。VideoStudio Pro X9のラインナップと価格(税別)は、パッケージ版のPro X9が14,800円、Ultimate X9が19,800円、ダウンロード版がPro X9が12,800円、Ultimate X9が16,800円だ。対応OSは、Windows 7 / 8 / 8.1 / 10となる。
世はまさにスマートフォンブーム。スマホの性能はもちろん、アプリの使い勝手も数年前には考えられなかったほど飛躍的に向上している。動画や写真に関していえば、スマホで撮影してアプリでお手軽編集、あとはSNSへアップするのが現在の主流だ。しかし、スマホのアプリを使っていて、よりセンスのいい演出の動画を作ってみたいと感じる人もいるだろう。そんな時にオススメなのが、PC用の高機能ビデオ編集ソフト。
PC用ソフトであれば、プロのような演出を施した動画を数ステップで作成できるのはもちろん、Blu-rayディスクなどにも仕上げられる。今回紹介するのは、発売されたばかりのPC用ビデオ編集ソフト「VideoStudio Pro X9」だ。
「VideoStudio」は、1993年に発売されて以後、根強いファンを持つビデオ編集ソフト。(1)デジタルカメラやビデオカメラなどから素材を取り込み、(2)多彩な編集機能を駆使、(3)ディスクや任意の動画形式へ書き出し/インターネットへ公開……という作業ステップで、初心者でも戸惑わずにビデオ編集できるのが大きな魅力だ。
ストップモーションやタイムラプスといった流行りの機能に加えて、コーレルのBD/DVDオーサリングソフト「MY DVD」を付属するなど、独自要素を盛り込んでいるのも本シリーズならでは。また、最新作「VideoStudio Pro X9」は、第6世代Intel Coreプロセッサ(開発コードネーム:Skylake)に最適化されている。より快適なビデオ編集環境を実現するほか、ファイルサイズを軽量化しつつ高画質なHEVC(H.265)の入出力にも対応した。
VideoStudio Pro X9最新版の大きなポイントは、マルチカメラ編集機能を新たに搭載したことだ。異なる角度から撮影した映像を、音声などで同期編集して1つの動画を作成できるようになった(Pro版では最大4台、Ultimate版では最大6台の映像の読み込みに対応)。自動的に各クリップを分析・同期できるため、非常に扱いやすい。これを利用すれば、結婚式やスポーツ、ライブイベントなどを、ワンランク上の作品に仕上げられるはずだ。
人物や物体をモザイク加工するモーショントラッキング機能も強化し、複数の人や物体にモザイク処理をかけられるようになった。一度設定すれば対象物の動きに合わせて追尾する上、移動の際に大きさが変化してもサイズを自動調節してくれる。激しい動きや一度画面から外れた場合、対象物を追尾してくれない場合もあるが、簡単に再設定が可能だ。
フォトムービーを手軽に作成する「FastFlick」もより使いやすく。これまで「おまかせモード」という名称だったもので、3ステップでフォトムービーを作れる。凝った演出はできないが、タイトルを付けたり、写真の表示を入れ替えたりすることは可能。また、音楽を動画の再生時間に合わせる、動画を音楽の再生時間に合わせる、といった設定も用意されているため、速度優先で仕上げる場合に威力を発揮する。もちろん「FastFlick」でさくっと作成したものを、さらにVideoStudioでジックリと仕上げてもよい。
そのほか、Ultimate版には、X8 Ultimate版までのプラグインに加え、コントラストや色味を総合的に調整するVideoTuneup Plusといった10種類のフィルタセット「NewBlue VideoEssentials VII」なども収録されている。作品をトコトンこだわりたい人は、こちらを選ぶとよいだろう。