ドワンゴは1日、公益財団法人日本棋院協力のもと、世界トップレベルの囲碁ソフトウェア開発プロジェクト「DeepZenGoプロジェクト」(ディープゼンゴプロジェクト)を発表した。半年から1年後をめどに、新たな囲碁ソフトの完成を目指す。
プロジェクトメンバーには、新生囲碁ソフトのベースとなる「Zen」開発者・尾島陽児氏、加藤英樹氏を中心に、将棋ソフトウェア「PONANZA」開発者である山本一成氏、人工知能の研究者で東京大学准教授の松尾豊氏らを迎える。
ドワンゴは、ハードウェアや開発スペースなどの開発環境を提供するほか、同社の人工知能研究所も開発を支援。今後、プロジェクトの賛同者・賛同企業は、随時拡充していく。
同社は、「DeepZenGoプロジェクト」を通じて、人工知能技術の向上や、囲碁への関心の高まりによる囲碁界の発展を期待する。日本棋院の和田紀夫理事長は、同プロジェクトが、Googleの囲碁AI「AlphaGo」に対抗するだけでなく、囲碁業界の発展にも貢献する点を評価。「この機会に囲碁の存在が高まり、囲碁の継承発展により人工知能と人間の知能の両方が成長し、コラボレーションできることを期待しています」とコメントしている。
「AlphaGo」は、Googleが1月27日に成果を発表した囲碁プログラム。従来採用されてきた高速検索手法ではなく、ニューラルネットワークを活用した機械学習の手法を採用することで、プロ棋士に勝利する成果を上げた。