全国銀行協会はこのほど、2015年12月末時点(10~12月期)における「インターネット・バンキングによる預金等の不正払い戻し」の調査結果を発表した。それによると、10~12月期の不正払い戻し被害件数は191件、被害金額は2億4,300万円となった。前年同期は、被害件数が216件、被害金額が2億6,700万円だった。
法人の被害金額、前年同期比7倍超に増加
内訳をみると、法人の被害件数は20件(前年同期5件)、被害金額は7,100万円(同1,000万円)で、被害金額は前年の7倍超に拡大。4~12月の累計では被害件数64件、被害金額5億300万円となり、過去最悪だった2014年度の年間被害金額4億2,700万円を7,600万円上回った。
一方、個人の被害件数は171件(同211件)、被害金額は1億7,200万円(同2億5,700万円)と、前年より減少。4~12月の累計では被害件数755件、被害金額7億9,600万円となった。なお、10~12月期の対応方針決定済み件数は63件、うち補償件数は63件、補償率は100%だった。
同協会は「2014年に法人向けインターネット・バンキングの不正利用に係る対応として申し合わせを行うなど、対策・周知に取り組んできた。その一方で、金融犯罪においては対策を強化するとそれを上回る手口が開発されるといった面もある。それを前提として、今後はお客様に安心して金融サービスをご利用いただくために、被害防止に向けて更に努力していく」と話している。
調査対象は同協会会員銀行191行。