遠藤憲一と渡部篤郎という"おじさん"2人の主演で放送されている関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『お義父さんと呼ばせて』(毎週火曜22:00~22:54)。遠藤演じる中小企業の熱血営業マン・大道寺保が、同い年の渡部演じる大企業のクールな役員である花澤紀一郎の娘・美蘭(蓮佛美沙子)と結婚を約束するものの、紀一郎が猛反対するという姿をコミカルに描く、原作のないオリジナル作品だ。

物語も折り返し地点を過ぎ、保と紀一郎の関係にも、徐々に変化の兆しが見えてきた中、保と美蘭の初めてのキスシーンがあるかも!?という情報をキャッチ。3月1日放送の第7話が収録されている都内のスタジオに2月某日、マイナビニュースが潜入した――。

蓮佛美沙子(左)と遠藤憲一のキスシーン(?)

ドラマ収録の朝は早い。この日も午前9時から撮影が始まったが、遠藤がスタジオに入り、スタッフから「遠藤憲一さんから和菓子セットいただきました!」と報告があると、ほかのスタッフたちの「ありがとうございます!」という声が響き、眠気も一気に覚めてくる。

スタジオの入口

ドラマの撮影は台本を元に実際の動きを見る「段取り」から、「テスト」「ランスルー」(通しリハーサル)をへて、ようやく「本番」という流れ。遠藤から「ここはこうした方がいいんじゃない?」と動きを提案する姿もあり、スタッフだけでなく、演者を含めた現場が一体となってアイデアを出し合い、作品を作っている様子がうかがえる。

この日は、美蘭の住む花澤家でのシーンを収録。いくつかのシーンを撮り終え、いよいよウワサのキスシーン(?)の収録がスタートした。保の家がボヤに遭い、美蘭の部屋に転がり込むことになるが、2人きりのいいムードになって、顔を近づけるものの…という場面だ。

ここもコミカルなシーンで、多くのスタッフが見守る中で段取りがスタート。2人が見せる意外な動きに、ギャラリーとなるスタッフからは、何度も大きな笑い声が上がる。動きをチェックする間、髪をセットし直す間などは、キャスト同士で談笑する姿もあり、ドラマを見る視聴者と同様に、終始笑顔が絶えない現場だ。

そして本番。スタッフの「(カメラ)回りました!」の声と同時に、先ほどまでの談笑から一気に空気が切り替わり、迫力ある演技に、スタジオを緊張感が包み込む。カットがかかり、すぐに撮った映像をチェックすると「OK!」の声が。このシーンは見事一発OKとなった。

『お義父さんと呼ばせて』の撮影は、ほかのドラマに比べてもテンポよく進むそうで、午前中のこの時点で20分巻き。1日で予定より2~3時間早く終了することもあるそうだ。そう言えばクランクイン前の昨年末に行われた取材会で、「自分よりせっかちな人に会ったことがない」という渡部が、撮影はとにかく早く終わらせたいと話していたが、まさにそれが実行されている様子。スタッフの皆さんもありがたいに違いない。

その後も、美蘭の部屋のほか、リビング、食卓、玄関、廊下、妹・真理乃(新川優愛)の部屋など、花澤家の各所で撮影。シーンが変わる度に、衣装を着替えることもあり、役者さんの大変さを目の当たりにした。

花澤家セット。さすが一流企業役員の邸宅

家族の思い出写真の数々

花澤家の愛犬・太郎

こうして午前の撮影が無事終了。昼休憩に入る前の遠藤憲一と蓮佛美沙子を直撃した。

――今回、お2人がキスをしようとするシーンがありましたけど、こういうシーンは7話にして初めてですね。

蓮佛 今まではハグをしても子供同士みたいなキャッキャッっていう感じだったので、こういうアダルトな雰囲気が私は新鮮でしたね。

遠藤 気持ち的には本当にキスしたいんだけど、生々しくなるからね、この顔でやると(笑)。 相当ドン引かれるから(笑)

蓮佛 そんなことないですよ。私も台本を読んでいて、生々しくはしたくないと思ってました。あくまで保っちゃんと美蘭だからこその、カラッとかわいい感じになったらいいなという気持ちで演じましたね。

――台本から実際の撮影で動きも変わりましたよね。

遠藤 いつもみんなで一緒に考えてやっています。台本だけじゃ、どうなっちゃうか分かんないシーンはね。

――コミカルなシーンでギャラリーのスタッフさんも、みんな爆笑していました。

蓮佛  結構この現場のスタッフさんって笑いますよね。カメラさんとかも普通に笑ってるし(笑)

遠藤 その笑い声を聞いて、こっちも吹いちゃうときあるんですよ(笑)

蓮佛 そうそう! 今笑った!みたいな(笑)

――2人の関係の結末は、役者さんもまだ分からないのですか?

遠藤 そうなんです。

蓮佛 お義父さん(紀一郎)に認めてもらえればいいなぁと思いますね。なんだかんだ(保と紀一郎は)仲良しなんで。

遠藤 俺たちも出来上がりを楽しみにしています!