説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iCloudメールとGmail、どっちがいいの?』という質問に答えます。

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Appleが提供する「iCloudメール」は、Apple IDを取得するともれなく利用できるメールサービスです。Appleが提供するほかのオンラインサービスを含め、使用するオンラインストレージの容量が5ギガバイト以内であれば無償利用できることがポイントです。

しかし、フリーメールかどうかといえば、答えは「否」でしょう。フリーメールという言葉の定義は確立されていませんが、一般的には「無償」かつ「実在する氏名・住所を問われない」という条件を満たすものがフリーメールとされます。iCloudメールは無償利用できるものの、ほとんどのユーザは実在する氏名・住所で登録しているからです。

なぜなら、Apple IDはiPhoneの利用と深く結びついており、しかもアプリの購入(App Store)や音楽サービスの利用(iTunes Store/Apple Music)に不可欠です。Apple ID登録時には、クレジットカードを登録するユーザが大半です。決済機能と密接な関連があるため、実在の氏名・住所を登録するユーザがほとんどとなり、前述したフリーメールの要件から外れることになります。

そしてもうひとつ、フリーメールという言葉には「匿名性があり使い捨て可能なメールアドレス(捨てアド)」というニュアンスも含まれます。その点、Apple IDおよび決済機能と切っても切れない関係にあるiCloudメールは"捨てアド"としにくく、フリーメールに分類するには無理が生じます。無料(フリー)ではあるもののフリーメールではない、という解釈が正しいのではないでしょうか。

ところで、類似のメールサービスとしてGoogleが提供する「Gmail」がありますが、こちらもAndroidユーザにとってはApple ID/iCloudメールと同等の存在です。Gmailをフリーメールと解釈する向きもあるようですが、やはり決済機能と関係があるため、少なくともAndroidユーザにとってフリーメールではないでしょう。

いわゆる"捨てアド"にしにくい以上、iCloudメールをフリーメールに分類するのは無理があります