「日本のほうが医療費が高額」と答える回答者が多かった

体調が優れないときに病院やクリニックで診察をしてもらうのは万国共通といえる。日本のような皆保険制度では医療費が安く抑えられるが、各国で医療事情は異なり、国や地域によっては手術などを受けると法外な値段を請求されるケースもある。

そこで今回、日本在住の外国人20人に母国と日本の医療費の違いについて、具体的な金額なども含めて答えてもらった。

Q. 日本の病院の医療費(受診費)は母国と比べて高いですか、低いですか。風邪などの診療にかかった費用など具体例で説明してください


■日本のほうが高額
・「母国に比べては高いが、日本の収入からすると普通だと思う。風邪になった場合、診療から処方で保険が効いても1,000円。やっぱり母国に比べて高い」(韓国人/34歳/男性)
・「初診料、検査料が高い」(チェコ人/58歳/男性)
・「高いです。母国より5倍ほど高いです」(ウクライナ人/25歳/男性)
・「保険を考えると、やはり日本の方が高いと思う。保険をかけていない簡単な身体検査だけでも、何千円もかかってしまう」(中国人/28歳/男性)
・「非常に高いです。風邪のときも高いです。ベトナムでは処方箋がなくても薬を買うことができますので、風邪のときにお医者さんに行かなくてもいいです」(ベトナム人/36歳/男性)
・「日本の医療費は高いです。しかし、健康保険があるから結果的に母国と同じ費用になってます」(フィリピン人/35歳/女性)
・「高いと思う。風邪の診療の場合、日本は保険分を引いても3,000~4,000円かかるが、母国の場合は保険に入っていれば1,000円以内ですむから」(香港人/34歳/女性)
・「イギリスがタダですから、比べたら日本が高いです。国民保険を使っているので、受診費はほどよいと思います」(イギリス人/31歳/女性)
・「保険があれば、母国の方が安いです。風邪ぐらいなら診療は400円ぐらいです」(イラン人/28歳/女性)
・「会社員は医療保険があるので、とても良いと思いました。母国と比べて高いです」(ブルガリア人/33歳/女性)

■日本のほうが低額
・「健康保険があるから、安いです」(インドネシア人/36歳/男性)
・「低いです。というのは母国はタダですが、それは国立に限られており、私立に行くとすごく高いです。風邪は母国だと0円です」(ポーランド人/30歳/女性)
・「安いです。母国では健康保険は普及していないので、風邪にかかる費用は日本の倍です」(マレーシア人/31歳/女性)
・「日本における治療費は母国に比べて安いです。風邪の場合は健康保険を使えば2,000円以下の費用で受診できます。薬も安いです」(エジプト人/33歳/男性)
・「低いです。大病院~診療所(クリニック)まで病院の規模によって負担金が異なるんですが、母国は基本外来診察の場合は100~360元、急診は200~450元、歯科診療は150元~です。また、漢方も負担してます」(台湾人/30歳/女性)

■その他
・「昔、母国の病院は無料だったんですが、最近はいろいろ変わってよくわかりません」(ギリシャ人/33歳/男性)
・「入院したことがないのでわかりません」(フランス人/35歳/男性)
・「日本の病院はまだ通ったことがありません……」(シリア人/35歳/男性)
・「病気にもよりますが、風邪でしたら母国が安くて、ガン治療は日本の方が高い」(モンゴル人/39歳/女性)

■総評

結果を見ると、「母国よりも日本の医療費は高い」と答えた人の割合が多かった。日本では保険に加入していれば、検査や手術などにかかる費用(自己負担割合)は70歳未満なら3割ですむし、医療費が一定限度額を超えないようにする「高額療養費制度」という制度もある。かなり抑制されているように感じるが、世界には医療費がかからない国もあるため、1円でも払うとなれば「高い」と感じる人たちもいるようだ。

原則として医療サービスが無料の「国営保健サービス」と、治療費用が全額患者負担の「プライベート医療」のいずれかより医療機関を選択できるイギリスなどにみられるように、各国の医療体制は実にさまざまだ。海外旅行に行く際は、事前に当該国の医療サービスや医療費事情などを調べておくとよいだろう。

※写真と本文は関係ありません