鹿島臨海鉄道は21日、大洗駅にて新型車両8000形の一般公開を実施した。1985年の大洗鹿島線開業以来、30年にわたり活躍してきた6000形の後継車両として新造され、今年3月のダイヤ改正から営業運転を開始する。
8000形の一般公開は当初、2月14日に神栖駅(鹿島臨港線)構内で行われる予定だったが、荒天で延期に。2月20日に大洗町民、翌21日に水戸市民を対象とした試乗会が行われ、21日の試乗会で水戸~大洗間を往復した後、大洗駅3番線で一般公開が実施された。デビュー記念のヘッドマークを掲げた8000形を多くの鉄道ファンが囲み、車両の隅々までカメラを向けていた。地元利用者らも興味深く新型車両を眺めている様子だった。
この新型車両は新潟トランシスの製造で、ボディカラーは「鹿島灘の海と空をイメージしたブルー」「砂浜と大地をイメージしたブラウン」「地域に支えられ発展してゆく大洗鹿島線をイメージした赤色のライン」の3色。車体側面下部の「K.R.T.」プレートは6000形から受け継がれた。車体の最大長は20m、最大幅は2.85m、最大高は3.99m。乗降をスムーズに行えるように片側3ドア(中央のみ両開きドア、前後2カ所は片開きドア)とし、停車時にドア開閉を選べる押しボタン式に。低床化も図られた。
車内はオールロングシートの座席配置で、6000形より旅客定員が15名増え、計135名(座席44名・立席91名)となった。優先座席も含め、モケット柄は沿線に咲くハマナスをあしらった。ワンマン運転を行うための運賃箱や整理券発行器などを備え、カラーディスプレイの液晶式運賃表示器で運賃や駅名を表示。運転台もワンマン運転に配慮し、操作性を重視したという。ドア上にLEDの車内表示器を設置し、車いすスペースも確保された。
低騒音・低燃費の新型エンジンで快適性と経済性を両立させつつ、出力が向上し、スムーズな加速を実現。空気ばね式ボルスタレス台車により、乗り心地も改善された。鹿島臨海鉄道によれば、8000形は現時点で12年かけて計13両を導入する計画だという(情勢の変化などで変更される場合あり)。今回公開された車両(8001号車)は3月から営業運転を開始し、2016年度は2両、その後は年間1両を目安に追加導入を進めるとのことだった。
新型車両8000形の試乗会は2月27・28日も行われる。27日は鉾田市民を対象に実施し、新鉾田~鹿島神宮間を往復(新鉾田駅13時18分発・14時38分着)。28日は鹿嶋市民を対象に実施し、鹿島神宮~大洗間を往復(鹿島神宮駅14時3分発・16時31分着)する。