今回の日米合意は2014年の羽田空港国際線二次増枠分についての合意となる

国交省は2月18日、都内で2月16~18日に実施した日本と米国との航空当局間協議において、2016年冬期(2016年10月末)から羽田空港の昼間時間帯に双方1日5便ずつ、深夜早朝時間帯に双方1日1便ずつ運航することで合意したことを発表した。

同協議には、日本側代表として平垣内久隆大臣官房審議官ほか、米国側代表としてトーマス・エングル国務次官補代理ほかが出席した。今回の合意は、2014年3月からの羽田空港国際線二次増枠分についての合意であり、昼間時間帯5便のうち4便分は、現在の深夜早朝時間帯からの移行分となる。具体的な路線や運航会社については、日米それぞれの国内手続きを経て決定される。

これまでの羽田空港再国際化の流れをまとめると、2010年の羽田空港再国際化では昼間時間帯は年3万回(40便/日)と深夜早朝時間帯は年3万回(40便/日)が定められたが、昼間時間帯は東アジア(中国/韓国/台湾/香港)に限定されていた。2014年の国際二次増枠では、昼間時間帯は年6万回(80便/日)に拡大し、その対象をアジア長距離や欧米を含む高需要・ビジネス路線に拡大された。なお、深夜早朝時間帯は年3万回(40便/日)のままとされていた。

日米航空交渉に限定してみてみると、2010年の合意では昼間時間帯は0、深夜早朝時間帯は4便/日であったが、今回の合意によって昼間時間帯は5便/日、深夜早朝時間帯は1便/日となった。日米間の航空協定は1952年8月11日署名/1953年9月15日発効、2015年冬期スケジュール期における運航状況は、日本・米国双方あわせて旅客便週525便/貨物便週75便を運航している。

羽田空港再国際化の経緯

日本側の運航会社は3社(JAL、ANA、日本貨物航空)。便数は旅客便週203便/貨物便週24便、拠点は日本側が4地点(成田、羽田、関西、中部)、米国側が12地点(ワシントンDC、ニューヨーク、ボストン、シカゴ、シアトル、ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴ、サンノゼ、ホノルル、グアム、アンカレッジ)となっている。

米国側の運航会社は8社(ユナイテッド航空、アメリカン航空、デルタ航空、ハワイアン航空、フェデラルエクスプレス、UPS、ポーラエアカーゴ)。なお、この8社に加えて、第三国企業(大韓航空、シンガポール航空、チャイナエアライン)が運航している。

便数は旅客便週322便/貨物便週51便、拠点は日本側が7地点(成田、羽田、関西、中部、福岡、札幌、仙台)、米国側が22地点(ワシントンDC、ニューヨーク、ニューアーク、シカゴ、ロサンゼルス、デンバー、サンフランシスコ、アトランタ、ヒューストン、シアトル、ポートランド、ダラス、ミネアポリス、デトロイト、ホノルル、グアム、サイパン、アンカレッジ、メンフィス、インディアナポリス、オークランド、シンシナティ)となっている。

輸送実績を見てみると、日本・米国・第三航空会社の旅客数で、2010年が1014.9万人、2011年が947.6万人、2012年が1073.0万人、2013年が1091.5万人、2014年が1084.8万人となっている。