第70回「毎日映画コンクール」のオープニングセレモニーと授賞式が16日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われ、各賞を受賞した綾瀬はるか、長澤まさみ、塚本晋也、加藤健一、野田洋次郎、藤野涼子、桃井かおりらが出席した。
今年で70回目を迎える同賞は、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。一般客が見守る中、受賞者の一部がミューザ川崎内「光のブリッジ」を歩くオープニングセレモニーが行われた後、各賞の表彰式が行われた。
是枝裕和監督の『海街diary』から、長女役の綾瀬はるかが主演女優賞、次女役の長澤まさみが助演女優賞を受賞。綾瀬は「チャキチャキしていて明快な役でしたので、優柔不断な私とは真逆で難しいと思いましたが、撮影が始まって新しい発見もありました」と振り返り、「改めて是枝監督をはじめ支えて下さったスタッフやキャストの皆さん、映画を見て下さったお客様に感謝しております」と受賞を喜んだ。
この日も登壇した次女役の長澤に「現場で1番みんなをまとめてくれました」と感謝の言葉をかけ、長澤も「綾瀬さんと喧嘩するシーンが多かったんですけど、綾瀬さんが同じ場所で次女を受けてくれたからその関係性が出来たんじゃないかと思います」と応えた。その長澤は本作で自慢の美脚を披露するなどセクシーな次女を熱演しているが「監督からは『エロスの部分を担って欲しい』と言われたので、エロスを担当しました(笑)」と笑顔で振り返っていた。
監督賞と主演男優賞には、『野火』の塚本晋也監督が受賞。まさかの主演男優賞に「監督賞より最初に主演男優賞を伺ったものですから、そこですか?という感じでした」と戸惑った様子で「絶句して、その夜は三國連太郎さんや緒形拳さんという歴代の受賞者を見てますます実感が湧きませんでしたね。本当にすみません…。老後の楽しみにさせてください」と観客を笑わせた。なお、監督賞と主演男優賞のダブル受賞は、1946年のスタート以来、70年という長い歴史の同賞でも塚本監督が初めてとなる。
第70回「毎日映画コンクール」受賞一覧
作品部門
- 日本映画大賞:『恋人たち』
- 日本映画優秀賞:『岸辺の旅』
- 外国映画ベストワン賞:『バードマン』
監督賞・脚本賞
- 監督賞:塚本晋也『野火』
- 脚本賞:原田眞人『駆込み女と駆出し男』
俳優部門
- 男優主演賞:塚本晋也『野火』
- 女優主演賞:綾瀬はるか『海街diary』
- 男優助演賞:加藤健一『母と暮らせば』
- 女優助演賞:長澤まさみ『海街diary』
- スポニチグランプリ新人賞:野田洋次郎『トイレのピエタ』
- スポニチグランプリ新人賞:藤野涼子『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』
- 田中絹代賞:桃井かおり
スタッフ部門
- 撮影賞:藤澤順一『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』
- 美術賞:原田哲男『日本のいちばん長い日』
- 音楽賞:坂本龍一『母と暮らせば』
- 録音賞:小川武『恋人たち』
ドキュメンタリー部門
- ドキュメンタリー映画賞:『沖縄 うりずんの雨』
アニメーション部門
- アニメーション映画賞:『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』
- 大藤信郎賞:『水準原点』
TSUTAYA映画ファン賞
- TSUTAYA映画ファン賞(日本映画部門):『幕が上がる』
- TSUTAYA映画ファン賞(外国映画部門):『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
特別賞
- 特別賞:橋本忍(脚本家)、櫛桁一則(「シネマリーン」支配人)