花粉症といえばスギが代表例だが、ほかの植物の花粉でもアレルギー症状が起きる

花粉症とは無縁だったのに、ここ1、2年で突然アレルギー症状が発症し、目のかゆみや鼻水、鼻づまりなどに悩んでいる人はいないだろうか。抗原(アレルゲン)との接触が引き起こす花粉症は、大人になって突然発症するケースもある。

ただ、一口に花粉症と言っても、代表的なスギやヒノキに始まり、シラカバやブタクサ、ヨモギ、カナムグラなど対象となる植物は多数存在する。さらに、もしかしたらアレルギー症状はダニやハウスダストなど、花粉とは全く関係ないものが引き起こしている可能性もある。

そんなときに役立つのが「アレルギー検査」だ。今回はあまきクリニック院長の味木幸医師にアレルギー検査の種類などについて伺った。

10分で結果がわかる検査キットもある

アレルギー検査は「検査キット」「皮膚反応検査」「血液検査」などの種類に大別できる。検査キットにもさまざまなタイプがあるが、こちらも検査に血が必要なタイプとそうでないタイプがあるという。それぞれの特徴や検査時間などをまとめた。

簡易検査キット(採血不要)

アレルギーの原因物質を特定するというよりも、「アレルギー反応が起きているかどうか」を調べる際などに用いられることがある。対象者の涙や鼻水を試料とし、抗原に結合してさまざまなアレルギー反応を引き起こすことが知られている抗体「IgE」の量を検査できる。結果は10分ほどで出るものもある。

「何のアレルギーかまでは調べられませんが、アレルギーとならば使ってもらう薬は一緒です。そういう意味では簡単で、値段も保険が適用されて数百円と手ごろです。号泣時など、涙液の内容が通常の状態とあまりにも違うケースなどを除けば、検査結果もほぼ正確です」。

検査キット(採血必要)

少量の血を抜き取り、特殊なキットに滴下するなどして、何に対してアレルギー反応が出るかを検査する。製品によっては、スギやブタクサ、ヨモギなどのほかにダニやゴキブリなどの生き物に対するアレルギー反応を検査することも可能。