最近、よく耳にする「インバウンド」という単語。最近では外国人旅行客、そしてその外国人旅行客がもたらす経済効果について使われることが多いようです。今回は、春節で中国人観光客が増加している様子を、実際に見に行ってきました!

春節ってご存知ですか?

「インバウンド」と一緒に最近よく出てくる「春節」という単語、ご存知でしょうか。中国では、旧暦のお正月にあたる時期が大型連休になり、それを春節といいます。インバウンドと春節の関係は深く、インバウンド消費を目論む店舗などでは、この時期にあわせて様々な仕掛けを準備しているのだそうです。

その前におさらい

さまざまなメディアで取り上げられている、中国人観光客のインバウンド消費(爆買い)ですが、一体いつから始まったのでしょうか。少しおさらいをしてみましょう。

かつては、中国人への訪日ビザ発給に関して、厳しい規定がありました。まずは試験的に2009年7月、個人観光客に対して観光ビザの発給を開始しました。しかし、その時は対象者の所得制限も厳しく、しかも発給の申請を受け付ける公館が北京市、上海市、広州市と限られていたため、都市部の富裕層以外に恩恵を得る中国人はいなかったのです。

それが緩和されたのが、2010年7月。今まで年収25万元(約340万円)だった制限を、6万元(約80万円、ただし官公庁や大企業に勤めている必要がある)に引き下げると同時に、受付公館も中国全土へ拡大。これにより、富裕層だけでなく中間所得層、いわゆる「新富裕層」も個人観光ビザを取得できるようになり、これまでの10倍の1,600世帯が対象になりました。その後、日本旅行へ来る中国人が増えたのは皆さんご存知の通り。

訪日中国人観光記客数(出典:観光庁)

しかも、数字が出ていないのですが、昨年はもっと人数が増えていると考えられます。それは昨年、2015年1月19日から、訪日ビザの発給がもう一段緩和されたためです。ちなみに、昨年の月別来訪数は以下のようになっています。

月別訪日中国人観光客数(出典:観光庁)

1月、3月と比較すると、春節のある2月は突出して訪日中国人数が増えています。

また、円安になったのも、中国人の爆買いには一役買っていると思われます。2012年あたりまでは、1元が13円前後だったのが、2013年には15円、2014年には17円。そして昨年は19円と、元があがっています。

人民元相場(出典:観光庁)