企業によって社風や方向性はそれぞれ違い、真面目でおカタい会社もあれば、ゆる~いお友達感覚のような会社もある。今回はマイナビニュース会員のうち男女300名に、自分の会社の「カタいな」と思うところについて話してもらった。
Q.自分の会社の「カタいな」と思うところを教えて下さい
■縦社会・年功序列
・「上の人の意見が優先みたいなところがまだまだあると思う: 若い人の意見がなかなか通りにくいから……新しい方法が採用されにくい」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)
・「上司がすべて正しく、上司の命令は絶対なところ: みんなイエスマンなので」(35歳女性/商社・卸/秘書・アシスタント職)
・「部下は上の人間に歯向かってはいけない: 上下関係がかっちりしているので、上が間違ったことをしても指摘できない」(28歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「上下関係: 冗談が許されない雰囲気」(50歳以上男性/金融・証券/営業職)
・「縦社会、年功序列: 出世は年齢順」(29歳女性/機械・精密機器/営業職)
・「年功序列でトップダウンなところ: 事実だから」(33歳男性/自動車関連/事務系専門職)
■保守的な体質
・「前例のないことをしようとするとなかなか物事が進まない: 保守的だから」(31歳男性/情報・IT/技術職)
・「変な歴史に縛られてるところ: 昔ながらのやり方も残ってるから」(29歳女性/金融・証券/事務系専門職)
・「なんでもかんでも保守的な方向での事業しかできないところ: 失敗したとき、税金でうんぬん~と言われるので」(24歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
・「チャレンジさせてくれない: チャレンジさせてくれないから」(30歳男性/その他/事務系専門職)
・「改革を何もしない: 超絶保守」(37歳男性/機械・精密機器/販売職・サービス系)
■手続きが面倒
・「いちいち上の確認が必要なところ: しょうもない事でも確認が必要で、時間と手間の無駄だと思う」(25歳女性/食品・飲料/営業職)
・「意思決定に時間がかかるところ: 上部機関に伝わるまで時間がかかるから」(31歳男性/運輸・倉庫/技術職)
・「何でも、手続きが必要: 不正防止のために、労力と時間を掛けすぎていて、業務に支障がある」(32歳女性/学校・教育関連/技術職)
・「決済する際のステップにとても時間がかかる: 書類や事前会議などで慎重な判断をしがちで時間がかかってるから」(34歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「決定事項はかならず文書にして、決裁しなくてはならない: 一人でも出張で判を押せなければ、決められないから」(27歳男性/電力・ガス・石油/技術職)
・「稟議が通らないと何もできない: 何かと時間がかかるので」(31歳男性/情報・IT/技術職)
・「不要な個所にも自分の名前を押印しなければいけないところ: 意味をなしていないから」(26歳女性/情報・IT/事務系専門職)
■ローテク主義
・「稟議書が紙ベース: 営業所とかが分かれてるなら電子の判子でもいいのにと思う」(34歳女性/その他/その他)
・「書類でしかうごかない: デジタル化していない」(43歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「システムの改修が進まない: いつまでたっても人の手作業が多いから」(26歳女性/生保・損保/専門職)
・「FAXを重宝している: メールを使えばよいことなので」(29歳男性/学校・教育関連/事務系専門職)
・「安くて機能の良い機材があるのに、高くて古い機能の機材しか使わないこと: 実際そうだから」(23歳男性/その他/営業職)
■出勤時間や休憩時間について
・「始業の5分前に席につく: くどいぐらい言われるから」(23歳男性/情報・IT/技術職)
・「始業時間の一時間前に出社しないといけないこと: 流石に早過ぎると思うから」(28歳男性/情報・IT/技術職)
・「意味もなく管理のためにという名目で昼休憩を限定する: 仕事の内容が、そのように時間時間でくぎるより、進行状況に応じたくぎりで休憩を取った方が効率的なので」(50歳以上女性/印刷・紙パルプ/クリエイティブ職)
・「『トイレに行く回数』の事までとやかく言う事: そのくらいで業務に影響ない」(28歳男性/人材派遣・人材紹介/技術職)
■仕事中も管理
・「仕事中に外出できない: 銀行くらいいかせてほしい」(25歳女性/情報・IT/クリエイティブ職)
・「仕事中は飲食禁止: お茶くらい飲んでもいいと思うから」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)
・「就業中は一切お菓子を口にしない: 気分転換で飴とか食べたいなと思う」(31歳女性/医薬品・化粧品/営業職)
・「仕事中の雑談がほぼないこと: 雑談位はして気を紛らわしたいから」(31歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
■服装
・「ピアス、リング、ネックレス禁止: 結婚指輪さえだめだから」(47歳女性/医療・福祉/専門職)
・「私服の会社だが、ジーンズはだめなところ: 自由な感じがしない」(32歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「女子はズボン禁止: 事務で外に出ないのに、普段履いているズボンがはけない」(28歳女性/自動車関連/事務系専門職)
・「飾りのあるゴムやシュシュをしてはいけない: 地味なものならしてもいいことにしてほしいから」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・「制服で通勤してはいけない: 職場で着替えることが面倒」(33歳男性/医療・福祉/専門職)
■残業について
・「20時すぎないと帰ってはいけないというルール: 営業手当一律2万円ついているから、残業は無条件で20時まですることという取り決め」(36歳男性/機械・精密機器/営業職)
・「仕事がなくても残業する: 早く帰ればいいのに、昔からの名残でみんな残っているから」(32歳女性/自動車関連/事務系専門職)
・「上司の許可なしに残業ができない: 個人に裁量が与えられていないから」(34歳女性/金属・鉄鋼・化学/技術職)
・「残業にきびしい: 残業をすると理由を聞かずに嫌な顔をするので」(34歳男性/機械・精密機器/技術職)
■休めない
・「土日につなげて有休をとると嫌な顔される: 実際に休むなと言われるから」(41歳女性/情報・IT/技術職)
・「休みでも出勤している: 上司が休みでも出勤しているから」(33歳女性/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・「休みが取りづらい雰囲気がある: 従業員全員が無理して働いているので休みたいと言える雰囲気ではない」(27歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・「時間休がない: 少しでも休みたかったら、半休と取るしかないから」(34歳女性/医療・福祉/専門職)
・「台風でも出勤: 停電したら仕事が出来なくなるのに無意味だと思うから」(26歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)
■行事への考え方
・「会社の付き合いが重要視されているところ: 今どきの会社は社員旅行や会社行事などはあまりやらないのが一般的だから」(42歳女性/マスコミ・広告/営業職)
・「会社のイベントを大切にしろ(新人は絶対参加)と強制される: イベントに出なくては仕事がうまく進む人間関係が出来ないと考えているところが昭和」(24歳女性/印刷・紙パルプ/事務系専門職)
・「忘新年会は強制参加: 飲めない人もいるので自由にしたらいい」(44歳男性/その他/その他)
・「飲み会でも無礼講はない: 他の会社の飲み会は楽しそうだから」(37歳女性/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
■その他、おカタい風習・慣習
・「たまに体育会系の上司がいる: 声を大きくとかよく分からない理由でケチをつけるから」(24歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)
・「主要な取引先の役職員にはお中元お歳暮を欠かさない: 今後の取引を円滑にしたいためであろう」(50歳以上男性/団体・公益法人・官公庁/技術職)
・「始業一時間前に一番下の者が出社して、掃除、お茶出しの準備をするから: 茶ぐらい自分で用意しろ」(42歳女性/警備・メンテナンス/販売職・サービス系)
・「ラジオ体操から始まる: 最近あまり聞かないから」(29歳女性/自動車関連/技術職)
■総評
自分の勤める会社について「カタいな」と思うところを挙げてもらった。
まずは、「年功序列」や「縦社会」など昔ながらの古い因習が残っているケース。「上司の命令は絶対」「下の者の意見はほぼ採用されない」など、風通しの悪さが特に気になるようだ。また、会社が「保守的」だという意見もかなり寄せられた。「過去に前例がない」「マニュアル通りでない」ことに対して消極的で「チャレンジさせてもらえない」「例外が許されない」と不満をもつ社員も多かった。官公庁や金融業など、最初からおカタいイメージのある職種はある程度諦めもつくだろうが、回答には「ベンチャーっぽいのに融通効かない」という残念な声も寄せられた。
古くてカタいのと違って、最近よく言われている「コンプライアンス」や「セキュリティ」「不正防止」のため、カタくならざるを得ない企業もあるようだ。ただ、手続きが非常に煩雑だったり、承認までの行程が多すぎて、業務のスピード感が損なわれていることに苛立つ声も多数あった。
労働規範にうるさい企業もまだまだあるようだ。「出勤時間を1分でも遅れると反省文」「仕事中は飲食禁止・雑談厳禁」「制服での通勤禁止」「髪にシュシュは不可」など、細かな規則に縛られながら働いている人も多いことが分かった。残業に関しては、「しないと嫌な顔される」会社と「勝手に残業すると嫌な顔される」会社に分かれたが、どちらにせよ自由度は低い。有給や休暇はどの会社も「とりにくい」ことで意見が一致しており、たとえ「台風でも絶対に出勤」なんてガチガチの企業もあるようだ。
飲み会や社員旅行など、会社の行事に強制参加させられて「今どき会社行事なんて……」と不満に思っている回答もあった。20代女性からは「イベントに出ないと人間関係が築けないと考えているところが昭和」という手厳しい意見も。下戸の40代男性は「忘・新年会は自由参加にしてほしい」と希望していた。
中には、カタすぎて「福利厚生がものすごくしっかりしていてありがたい」という逆の事例もあり、恩恵に預かっている人もいた。カタいといっても一概に悪いことばかりではなさそうだ。会社を評価するときには、「カタい」と一蹴せずに、いい面も拾っていきたいものだ。
調査時期: 2015年11月20日~11月22日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男性131名 女性169名 合計300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート