国立感染症研究所は2月9日、1月25~31日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、同期間中の全国のインフルエンザ患者報告数は約11万人に達したことが明らかとなった。
同研究所の報告によると、2015/16年シーズンのインフルエンザ流行は、年が明けてから本格化した。その患者報告数は、1月第1週(1月4~10日)が9,964人、第2週(1月11~17日)が2万369人、第3週(1月18~24日)が5万2,226人と週を追うごとに増加。
そして今回の第4週(1月25~31日)では、11万1,738人とさらなる感染拡大を示す数字が報告された。今回の数字は、急増した先週と比較しても2倍以上増えている。
定点医療機関あたりの1週間における患者報告数も、第3週の10.56から22.57まで拡大し、47都道府県で前週の報告数よりも増加がみられた。特に高い値を示した都道府県は、新潟県(39.44)、沖縄県(34.29)、福岡県(31.88)、神奈川県(31.64)。
大都市圏では、東京都は第3週は11.17だったのが25.98まで増加。大阪府は同9.19だったのが20.27へ、愛知県は同11.92だったのが28.49へ、福岡県は同13.68だったのが31.88へと、もともと高い値から2倍以上増える結果となった。
厚生労働省が2月5日に行った報告によると、全国の保健所地域で警報レベルを超えているのは111カ所(28都道府県)で、注意報レベルを超えている保健所地域は339カ所(45都道府県)となっている。
警報・注意報レベルとは、定点医療機関あたりの患者発生状況をもとに基準値を設け、それを超えたときに発動されるもの。警報レベルは、大きな流行の発生・継続が疑われることを示している。注意報レベルは、流行発生前であれば今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性があることを、流行発生後であればその流行がまだ終わっていない可能性があることを示している。
なおインフルエンザは、感染後すぐには症状が出ていないこともある。予防はもちろん、周りにうつさないためにも「咳エチケット」「うがい・手洗い」の徹底を心がけよう。
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