カシオ計算機は9日、最短5秒で最大輝度に達する「レーザー&LEDハイブリッド光源」搭載のプロジェクター(全8モデル)を発表した。3月18日から順次発売し、価格はオープン。直販サイト「e-casio」での参考価格は89,800円(以下すべて税別)から。
ラインナップは、シンプルなエントリーシリーズが3モデル、高機能なアドバンスドシリーズが5モデル。アドバンスドシリーズは、ネットワーク対応に加えて、USB給電ポートを装備。スティック型PCやMiracastアダプターをプロジェクターに直結して、電力も供給しながら利用できる。
エントリーシリーズ「XJ-V100W」
「XJ-V100W」の直販参考価格は99,800円。レーザー&LEDハイブリッド光源は、従来の水銀ランプ方式と比較して消費電力を約半分に削減し、光源寿命20,000時間を達成している。電源をオンにしてから最短5秒で最高輝度に達するなど待ち時間もなくなり、電源オフ時のクールダウンも不要だ。
表示解像度は1,280×800ドットで、光学1.5倍ズームレンズを搭載。リモコンの左右キーで投影輝度を調整できる「クイック・ライト・コントロール機能」などを搭載する。本体内部は3ブロック構造の防塵設計を採用。光学エンジン部への埃の侵入を防止する。
主な仕様は、投映方式が1chip DLP方式、画素数が1,280×800ドット(最大入力解像度は1,920×1,200ドット)、輝度が3,000ルーメン、コントラスト比が20,000:1、画面サイズが35~300型。投映距離は60型で1.64~2.42m、100型で2.81~4.11m、最短投映距離が0.92m、レンズは光学1.5倍ズームの手動フォーカス、焦点距離は18.9~27.2で、明るさはF2.31~2.73。
映像入力インタフェースはHDMI×1、コンポーネントビデオ×1。±30度の縦台形補正(手動)や2倍のデジタルズームが可能。本体サイズは約W299×D299×H97mm、重量は約3.5kg。
エントリーシリーズ「XJ-V110W」
「XJ-V110W」は、明るさが3,500ルーメンのモデルで、直販参考価格は109,800円。そのほかの仕様は「XJ-V100W」とほぼ共通。
エントリーシリーズ「XJ-V10X」
「XJ-V10X」は明るさが3,300ルーメンで、表示解像度が1,024×768ドットのモデル。直販参考価格は89,800円。対応画面サイズが30~300型となっており、投映距離は60型で1.95~2.87m、100型で3.33~4.85m、最短投映距離が0.93m。そのほかの仕様は「XJ-V100W」とほぼ共通。
アドバンスドシリーズ「XJ-F210WN」
アドバンスドシリーズで最上位となる「XJ-F210WN」は3月25日の発売予定で、直販参考価格は139,800円。
基本仕様は「XJ-V100W」と共通だが、周囲の明るさを検知して7段階で投映輝度を自動調整する「インテリジェント・ライト・コントロール機能」や、WiDi・Miracastといったワイヤレス・ディスプレイ・アダプターに対応する。2GBの内蔵メモリも搭載。オプションで無線LANアダプター「YW-40」も使用できる。
そのほか主な相違点は、映像入力インタフェースがHDMI×2、D-sub×1、コンポーネントビデオ×1、Sビデオ×1、コンポジットビデオ×1。有線LAN端子を装備し、縦台形補正は自動で30度、手動で±30度。本体サイズは約W299×D299×H97mm、重量は約3.8kg。
アドバンスドシリーズ「XJ-F100W」
「XJ-F100W」は、「XJ-F210WN」から内蔵メモリなどを省略したモデル。4月から発売し、直販参考価格は119,800円。無線LANアダプター「YW-40」に対応してない以外、仕様は「XJ-F210WN」とほぼ共通。
アドバンスドシリーズ「XJ-F200WN」
「XJ-F200WN」は、明るさ3,000ルーメンのモデル。3月25日から発売し、直販参考価格は129,800円。そのほかの仕様は「XJ-F210WN」とほぼ共通。
アドバンスドシリーズ「XJ-F20XN」
「XJ-F20XN」は、明るさ3,300ルーメンで、解像度が1,024×768ドットのモデル。3月25日から発売し、直販参考価格は119,800円。対応画面サイズが30~300型となっており、投映距離は60型で1.95~2.87m、100型で3.33~4.85m、最短投映距離が0.93m。そのほかの仕様は「XJ-F210WN」とほぼ共通。
XJ-F10X
「XJ-F10X」は、「XJ-F20XN」から内蔵メモリなどを省略したモデル。4月から発売し、直販参考価格は109,800円。無線LANアダプター「YW-40」に対応してない以外、仕様は「XJ-F20XN」とほぼ共通。
半導体光源のプロジェクターを推進するカシオ
カシオは2010年から、半導体光源の「レーザー&LEDハイブリッド光源」を搭載したプロジェクターをリリースしてきている。現在は従来の水銀ランプを光源とするプロジェクターが圧倒的多数を占めるが、2020年には半導体光源のプロジェクターが過半数を超えると予想する。
【左】デジタル技術や半導体技術を得意とするカシオ【中】2015年5月に発売したエントリーモデルのプロジェクター「XJ-V1」にて、半導体光源を身近に【右】2020年には、半導体光源のプロジェクターが過半数を占めると予想 |
レーザー&LEDハイブリッド光源は、名前の通りレーザー光源とLED光源を組み合わせたものだ。RGBのR(赤)だけがLED光源で、G(緑)とB(青)はレーザー光源となる。電源オンですばやく高輝度の投映、電源オフ時もすぐ消せる、そして2万時間という長い光源寿命といった特徴を持つ。
ただ、これまでのモデルは価格が高く、上記のようなメリットを考えても、市場での競争力が高いとは言えなかった。そこで今回の新モデルにおいて、特にエントリーシリーズで大幅なコストダウンを実現し、価格に反映させた。