9 to 5 Macによれば、米Appleは2月8日の週にも「"トレード・イン" プログラム」での画面などを破損したiPhoneの買い取りにも応じる計画だという。トレード・イン(Trade-in)とは、現在手持ちの中古のiPhoneをApple Storeに下取りに出して、そこでの買い取り価格をiPhone新製品購入価格から差し引くことで、ユーザーは差額分の割り引きを受けられるという制度。これまで、画面の亀裂やボタン/カメラの破損などはトレード・インの対象外とされていたが、これが早ければ週内にも緩和される。
これはApple Reuse and Recycling Programの一環で実施されているもので、現時点でトレード・インでの破損品の取り扱いに関する言及は確認できない。9 to 5 Macによれば、現在米国でもメジャーなサービスとなっている「iPhoneの分解修理」を行う事業者への対策の1つであり、iPhoneの画面などを破損したユーザーが高価な買い直しを選択するよりも、こうした修理業者での部品交換を選択している現状を踏まえ、トレード・インの利用により「あと少しお金を足せば、より新しい世代のiPhone新製品が入手できる」と思わせることが狙いのようだ。
従来はこうした破損品はトレード・インの対象にはならず、ユーザーは下取りの差額なしで新品や中古を購入せざるを得ず、修理業者を利用するモチベーションになっていた。だが、このような形で破損品であってもApple Storeがトレード・インに対応するようになれば、Appleは修理にまつわるトラブルが減り、さらにiPhone販売にもプラス効果をもたらすとの判断が働いているとみられる。なお、現在のトレード・インの下取り価格の目安はiPhone 5sで50ドル、iPhone 6で200ドル、iPhone 6 Plusで250ドル程度。破損品の下取り価格は不明だが、これよりは幾分か下がる水準となるだろう。
Touch IDを外部修理するとiPhoneが機能停止
こうした修理業者を巡るトラブルで最近話題になっているのが「Error 53」だ。外部事業者を通じてiPhoneの修理を行った場合、このError 53が出てiPhoneは完全に機能を停止してしまう。複数の報道によれば、Error 53はTouch IDの読み取りや通信に関するエラーであり、iPhone 6の外部修理を行ったケースで発生しているという。iPhone 6のTouch IDは、Apple Payを含む各種金融取引の認証機構としても利用されているため、Error 53はこの部分に触れたと判断した場合に「規約違反」として機能を無効化している可能性が高い。Apple側の公式見解が待たれるが、こうした外部の修理業者ではiPhoneがどのようにハードウェア的にいじられたのかを判断するのが難しい部分があり、将来的に発生しうるトラブルに対処するためにもAppleが対策していても不思議ではない。いずれにせよ、興味深い動きだ。