多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『充電中、ACアダプタ付近からキーンという異音が聞こえます!?』という質問に答えます。

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Android端末に限った話ではありませんが、ACアダプタや充電器から「キーン」といった高周波が聞こえることがあります。これは「コイル鳴き」と呼ばれる現象で、安価なUSB-ACアダプタでときどき見かけます。

小ささ/携帯しやすさが重視されるため、Android端末に付属のUSB-ACアダプタは大半が「スイッチング方式」です。AC-DC変換後にスイッチング素子(インバーター)が高速にオン/オフを繰り返すとき、可聴帯域に入った部分がノイズとして聞こえる現象がコイル鳴きとなります。

通常、スイッチング方式のUSB-ACアダプタは、直流にノイズが混入しないようなんらかの対策が施されています。よく採用されているのが「フェライトコア」の利用で、ケーブルを挟むように設置すると高周波ノイズを減衰させる効果があります。

フェライトコアが適切に設置されているACアダプタであれば、おそらく高周波ノイズが影響している「キーン」という異音は聞こえないはずです。聞こえるということは、コストの都合でフェライトコアが省略されているか、取り付け方法に問題があるものと考えられます。

コイル鳴きがあるかどうかには個体差がありますし、メーカー側にどのようなインバーターを採用しているかを明記する義務もありません。付属のACアダプタが"はずれ"だった場合は、同等の出力が可能な製品に買い換える方法もありますが、"あたり"を引ける保証はありません。

この異音が気になる場合は、ACアダプタではなく、パソコンやモバイルバッテリーから充電するといいでしょう。パソコンの電源には大型のコンデンサが搭載されていることが多く、コイル鳴きを心配する必要はありません。モバイルバッテリーを使う場合は、離れた場所で充電してから手もとに置くようにするだけのことですから、確実にコイル鳴きから逃れることができます。

USB-ACアダプタの形式やノイズ対策によって、コイル鳴きと呼ばれる現象が発生することがあります(写真はイメージです)