DVDやBlu-rayなどの映像ソフトの全体売上が縮小傾向にある中、「音楽」ジャンルが隆盛を誇っている。
2014年12月29日から2015年12月27日までを対象に行われた「2015年 映像ソフト 年間マーケットレポート」(オリコン調べ)では、映像ソフトの年間総売上は前年比91.6%(2,304.8億円)、総売上枚数は前年比87.3%(3,798.6万枚)で共に縮小。2009年の調査開始以来、総売上額でBlu-rayがDVDを初めて上回ったが、Blu-rayの総売上額も前年比97.1%、総売上枚数は前年比89%(1,519.8万枚)といずれも減少傾向にある。
ジャンル全体売上で唯一、金額および枚数が増加したのが「音楽」。特にBlu-rayの売上は前年比118%(303.2億円)、枚数は120.1%(373.9万枚)と大きな伸びを見せ、Blu-rayとDVDを合計したジャンル全体でも、売上額が前年比101.7%(727.2億円)、枚数が前年比100.3%(1055.8万枚)。前年に続いて嵐のライブ映像作品『ARASHI BLAST in Hawaii』と『ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN』がけん引し、昨年12月16日にリリースされたばかりの三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEのライブ映像作品『三代目 J Soul Brothers LIVE TOUR 2015「BLUE PLANET」』も2週分の集計ながら売上32.5億円を記録している。
音楽業界の勢いは、メーカー別シェアにも出ている。2位のエイベックス・グループに25億円以上の差をつけて8年連続で首位を獲得したのがソニー・ミュージックエンタテインメント。しかし、売上額が前年比91.8%、売上枚数が前年比83.2%と共に数字を落とし、昨年3位だったエイベックス・グループは三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの売上が貢献し、前年比119.6%の成長で2位に。そして両社を猛追しているのが、嵐、KAT-TUN、TOKIO、Hey! Say! JUMPらの作品を扱うジェイ・ストームだ。
ジェイ・ストームの売上額は155億円で前年比147.7%、売上枚数は2,503.7万枚で前年比138.2%と急成長。2014年の調査結果では、売上額104億円で前年比138.7%、売上枚数1,812.1万枚で140.7%で6位だった。中でも注目すべきは嵐の存在。音楽映像のみならず、映画作品でも好調だったことが、ジェイ・ストームの躍進に大きく貢献している。