Mozillaがスマートフォン向けOS「Firefox OS for smartphones」の開発を終了させる具体的な計画を明らかにした。
昨年12月にAri Jaaksi氏(コネクテッドデバイス担当SVP)が、スマートフォンからコネクテッドデバイスに軸足を移す意向を語っており、スマートフォン向けFirefox OSの開発終了はその一環である。今後はIoT分野の製品開発やプロジェクトにリソースを集中させる。バージョン2.6が最後のスマートフォン向けFirefox OSになり、開発・提供に関わってきたスタッフは6月から別のプロジェクトに移る。Firefox OSに追加された30以上のWeb APIはスマートTVなどにも柔軟に利用できるものであり、スマートフォン向けで培ってきた基盤は今後コネクテッドデバイスで活かされることになる。
Mozillaはまた、Marketplaceで取り扱うアプリの変更も発表した。3月29日でAndroid版Firefoxおよびデスクトップ版Firefox向けに設計されたアプリの登録受け付けを終了し、Firefox OSをサポートしないアプリは削除する。FirefoxからWeb Runtime (WebRT)が取り除かれる予定になっており、実行されるとAndroid版やデスクトップ版で動作しているアプリは機能しなくなる。Firefox OS用のアプリは引き続き登録を受け付ける。
これら変更の詳細については、Participationチームを率いるGeorge Roter氏がMozilla Discourseで公開している。その中ではコネクテッドデバイス・チームの現状にも触れている。同チームは、新しい「Product Innovation Process」を試しながら、2016年のIoT製品プログラムの確立を目指している。これは初期のアイディアからソリューション(ゲート1)、市場適合(ゲート2)、スケーリング(ゲート3)の3段階を経て、様々なアイディアを価値のある製品へと導いていくプロセスである。すでにスマートTVを含む3つのプロジェクトがゲート1に達しており、さらに数多くのプロジェクトがレビューに備えている。2016年前半には、Product Innovation Processの門戸を外部にも開放するように進めているという。