Microsoftは2015年10月に発表した、Windows 7&8.1環境からWindows 10へアップグレードする更新プログラムの扱いを、2015年2月1日から「重要」に変更した。

具体的には「Windows 7アップグレード用互換性更新プログラム」と題したKB2952664と、GWX(Get Windows 10)をインストールするKB3035583を適用したWindows 7 Service Pack 1およびWindows 8.1環境で、Windows 10への自動アップグレードが開始される。

英語環境では図のようなポップアップが現れ、Windows 10へのアップグレードをうながす(公式ブログより)

Windows 10に関しては概ね好評を得ているようだが、古いアプリケーションの互換性問題や、OSがユニバーサルWindowsプラットフォームへの移行途中とあって、不完全な部分を残しているのは否めない。

Microsoft Windows and Devices Group EVPのTerry Myerson氏は、「アップグレード後も31日以内であれば以前のバージョンに戻せる」と述べている。だが、アップグレード時も相応の時間(環境にもよるが数時間)、ダウングレード時も同様の時間を要し、その間は作業ができないため、決して簡単ではない。

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このような、いわば強硬な姿勢に立つ理由の1つは、2015年7月末から2~3年で「10億台ものWindows 10搭載デバイス」を目標に掲げているからだろう。Microsoftは2016年1月の時点で、2億台を突破したと発表しているが、さらにその数を増やすには、一定のシェアを持つWindows 7ユーザーを巻き込んだ方が確実である。

筆者の環境で確認したところ「KB2952664」が"重要"な更新プログラムに含まれていた(「KB3035583」は適用済み)

なお、Windows 10アップグレードはグループポリシーエディターやレジストリ編集で抑制できる。前者の場合は「Turn off the upgrade to the latest version of Windows through Windows Update」を有効にし、後者は以前寄稿した記事を参照してほしい。

Windows 7 ProfessionalやWindows 8.1 Pro以上の場合は、グループポリシーエディターを起動し、<コンピューターの構成>→<管理用テンプレート>→<Windowsコンポーネント>→<Windows Update>から操作する

阿久津良和(Cactus)