ベネッセ教育総合研究所は、小学5年生2,601名・中学2年生2,699名・高校2年生4,426名を対象に「第5回学習基本調査」を実施した。調査期間は2015年6月から7月。

小中高生の学校外学習時間が増加

「学習基本調査」は1990年に第1回を行い、以降、1996、2001、2006年に実施している。今回は過去の調査結果と比較し、子どもの学習行動や意識の変化を分析した。

ふだん(月曜日~金曜日)、学校での授業以外に1日にだいたい何時間くらい勉強しているか(塾など含む)尋ねたところ、2006年比で平均学習時間が増加した(小学生・高校生:約14分増、中学生:3分増)。

25年間でみると、1990年代には減少傾向にあったが、小中学生は、2001年を境に増加している。小学生は今回が過去最長時間となり、高校生も中上位層を中心に今回初めて、増加に転じた。

ふだん(月曜日~金曜日)、学校での授業以外に1日にだいたい何時間くらい勉強していますか?(学習塾や予備校、家庭教師について勉強する時間も含む)

学校からの宿題や課題の時間も前回比で上昇しており(小学生:13分増、中学生:7分増、高校生:9分増)、学校の家庭学習指導の強化が、学習時間全体の増加に影響していると考えられる。

授業で好きな学習方法を尋ねたところ、自分で考えたり調べたりする活動や、グループ活動に関する項目で上昇がみられた。特に「考えたり調べたりしたことをいろいろ工夫して発表する授業」は、小・中・高校生とも今回10ポイント以上上昇している。

授業で好きな勉強方法

学校の勉強は何に役立つかという設問では、「心にゆとりがある幸せな生活を送るため」や「よいお父さん、お母さんになるため」とともに、「お金持ちになるため」「尊敬される人になるため」といった地位達成に関連する項目も10ポイント以上アップした。

また、「いい大学を卒業すると将来、幸せになれる」という考えを肯定する割合は、今回大きく上昇した(小学生:16.9ポイント増、中学生:16.0ポイント増、高校生12.8ポイント増)。「将来、 一流の会社に入ったり、一流の仕事につきたい」も小・中・高校生とも10ポイント前後増えている。

勉強の効用(次の意見をどう思いますか?)