今後働く人口が減ってしまうという見込みで女性活躍推進が叫ばれるが、「なかなか課題は解決されない」という意見、「以前より悪くなった」といった調査も日々あがっている。日本で働く外国人は、日本の女性の働く環境についてどう考えているのだろうか?
Q.女性が働く環境について、母国と日本で違うところを教えて下さい。
母国とちがって遅れている
・「欧米だと、ただお茶を出すという女性社員は存在しない」(フランス/35歳/男性)
・「女性CEOなどの割合はもっと高いです」(ウクライナ/25歳/男性)
・「母国は手伝いさんなどがいるため、女性も気楽に働けます」(インドネシア/36歳/男性)
・「日本:働きにくいです。母国:男女の差別がありません」(フィリピン/35歳/女性)
・「台湾では共稼ぎするのが一般的で、結婚しても子供いても仕事やめなく続けますので、日本のように派遣が少なく正社員の形で働くするのが多いです」(台湾/30歳/女性)
・「日本は結婚や出産で復帰が難しい」(チェコ/58歳/男性)
・「日本のほうが女性が職場でセクハラされるのがよくある。マレーシアでは女性を働くのはごく普通なことなので、セクハラはあまりない」(マレーシア/31歳/女性)
・「母国では出産後すぐにでも復帰することが出来ます。殆どは1~3年後には元の職場へ復帰していると思われます」(モンゴル/39歳/女性)
・「日本では女性が働く環境では不安感やストレスがあります。労働・通勤時間が長く、育児・家事の面で女性の負担が大きく、男女平等が十分重視されていないと感じます。母国では雇用契約時、家庭事情も雇用者が気にかけてくれるのであまり問題少ないです」(ブルガリア/33歳/女性)
・「日本の女性は仕事とキャリアをしっかりしていない方が普通だと思います。結婚を目指してすぐ仕事を辞める女性がいます。イギリスでは主婦が少ないで、2つの給料が必要だからわがままなイメージです」(イギリス/31歳/女性)
あまり違わない
・「女性ではないので、あまりわかりませんが、大きな差がないと思います」(ギリシャ/33歳/男性)
・「違いがないと思います」(ロシア/31歳/女性)
・「日本と同じく、女性の昇進は欧米より遅れている」(香港/34歳/女性)
・「イランも日本みたいに男性社会です。最近、女性が強くなっていますがやはりパワーハラスメント(いじめ)、セクシュアルハラスメントなどがまだあります」(イラン/28歳/女性)
日本は良いと思う
・「日本は女性一人でも働きやすい環境だと思う。力仕事でも差別が特に無い」(韓国/34歳/男性)
・「就職している女性の割合を見ると、日本の方が圧倒的に多いと思います。ただし、日本にはパワハラやセクハラなどの問題があって大変だと良く聞きます」(シリア/35歳/男性)
まとめ
全体的に、「母国と違って遅れている」という意見が多かった。欧米圏、東南アジアなど多くの国から「遅れている」と思われていることがわかる。「共働きが一般的」「お手伝いさんがいる」「男女の差別はない」など、それぞれの国で、女性も働けるような環境を整えていることがうかがえる。
逆に、「日本と同じ」「日本の方が良い」という意見があがったのは、東アジアやイスラム圏だった。いまだ男性社会という風潮が強く、なかなか働きやすいとは言えないようだ。しかし、一気に改革をすすめるには難しい問題。少しずつでも、一人ひとりの意識を変えていくことが必要になってくるだろう。
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