東京都福祉保健局は1月28日、都内において、インフルエンザ定点医療機関からの1月第3週(1月18日~1月24日)の患者報告数が「流行注意報基準」(※)を超え、インフルエンザの流行が広がっていることを明らかにした。

※流行注意報基準: 感染症発生動向調査による定点報告において、10.0人/定点を超えた保健所の管内人口の合計が、東京都の人口全体の30.0%を超えた場合。

東京都内におけるインフルエンザ患者報告数(インフルエンザ定点報告) 過去5シーズン ※都内のインフルエンザ定点医療機関から報告された患者数を報告機関数で割ったもの

同局によると、都内のインフルエンザ定点医療機関(419カ所)からの1月第3週の患者報告数(都内全体平均)は11.17人/定点(週)。

インフルエンザ流行分布マップ。患者報告数が10.0人/定点(週)を超えた保健所は、都内31カ所中19カ所にのぼる

患者報告数が10.0人/定点(週)を超えた保健所は、都内31カ所中19カ所で、管内人口の合計は、東京都全体の66.19%にのぼった。中野区(17.20)、江東区(16.07)、荒川区(15.71)、世田谷(15.68)、みなと(14.67)、八王子市(14.61)では高い値となった。

集団感染事例報告数(施設別)および定点報告数

都内学校等におけるインフルエンザ様疾患による臨時休業(学級閉鎖等)報告状況

続いて今シーズン(2015年8月31日~1月24日)において、都内の学校や社会福祉施設等で発生したインフルエンザ様疾患の集団感染事例は236施設を記録した。1月第3週の内訳を見ていくと、「小学校」「保育所」の順に多く発生していることがわかる。インフルエンザ様疾患による臨時休業(学級閉鎖)の「小学校」の数は、今シーズン累計で133。そのうち、1月第3週だけを抽出すると107であり、現在の流行を示している。

定点患者報告 年齢階層別内訳(直近5シーズン)

年齢層別の内訳を見ていくと、今シーズンは直近4シーズン(2011-12 / 2012-13 / 2013-14 / 2014-15)と同様、「5~9歳」が最多で、次いで「1~4歳」「10~14歳」の順に多い。ここからも学校での集団感染リスクは極めて高いことがうかがえる。

同局は「注意報レベル」の流行を受け、インフルエンザ対策のポイントとして、「こまめな手洗い」「休養・栄養・水分補給」「咳エチケット」「適度な室内加湿・換気」「予防接種(かかりつけ医と相談)」を呼びかけた。

なお、インフルエンザに関する詳細情報は東京都感染症情報センターのウェブサイトで確認できる。

※画像はすべて東京都福祉保健局提供