あなたの今までの恋愛を振り返ってみて、両思いと片思い、どちらが多いですか? 過去の回では、「どんどん仲良くなる」とはどういうことか、を「恋愛の地図」を使って説明しました。今回は、「恋愛の地図」を使って気になる人とのステップをどのように進めていくのかを見ていきましょう。
「片思い」はステップのどこかで進めなくなっている
以前にも書いたように、「どんどん仲良くなれる相手」を選ぶ人は恋人ができやすいです。その一方、「片思い」というのは、「恋人」になりたい相手と、「知人」や「友人」、あるいは「友だち以上恋人未満」のステップで止まってしまっている、ということです。
たとえば……。合コンで知り合ってから、SNSでつながってコメントをしあったり、たまにメールをしたりする「軽い友人」のステップの人と、もっと仲良くなりたいけれど、メールの関係で止まってしまっている。大学の同級生だったころからの「友人」のステップの人をひそかに好きで、たまに二人で飲みに行ったりするけれど、そこから進めない。
こういった経験はありませんか? こんなふうに、どこかのステップで止まってしまったとき、いったいどうしたらいいのでしょうか。
相手の気持ちをテストしながらアプローチする、ローリスクな方法
以前の記事でも書きましたが、関係が先に進めなくなっているときには「小テスト」をしてみることを提案します。小テストとは「恋愛の地図」をもとに、「今よりも一つ先のステップ」に進めるのかどうかを確かめてみることです。今回は小テストについて、より詳しく説明していきます。重要なことは、この2つ。
1、「今の二人のステップ」(つまり現在地)を知ること
2、ステップは「一つずつ」先に進むこと
なぜなら私たちは人を好きになると、この2点ができなくなって、失敗してしまいがちだからです。
たとえば、一度も話したこともない人に、いきなりメールアドレスを聞いたり、あいさつするだけの関係の人にいきなり告白したりなど、ステップを飛ばす行動をとってしまうことが意外とよくあります。
もちろんステップを飛ばしても、うまくいくときはうまくいきます。しかし、「ステップを飛ばしたからこそ、うまくいった」ということは、少ないように思います。特に長い目で見た場合には、ステップを順に進んだほうが長続きする安定した関係が築ける可能性が高くなるでしょう。
なによりも、一つずつステップを踏めば、関係が気まずくなることや、相手に言いにくい「NO」を言わせる負担も減らせます。そして、だんだんお互いを知り、親しくなることで、いきなり大きな気持ちをぶつけるよりも、恋が手詰まりになる可能性が減り、成就する確率が上がるのです。
ステップ別「小テスト」の方法
小テストとは、相手の気持ちをローリスクで知ることができるアプローチのことです。 それでは、ステップ別に小テスト(アプローチ)の例を挙げてみましょう。
ステップ1、他人
お互いの存在を知らない状態:このステップでは相手の存在を知らないので、小テストの必要もありませんね。
ステップ2、存在を認識(毎朝バス停で会う人、学校や会社で見かける人など)
接触は一切ないが、相手を見かけたり同席したりなどで、お互いの存在を認識している状態:見かけたことがあるだけの関係ならば、まずは会釈やあいさつをする関係になることを目指します。
視線を向ける回数をなんとなく増やしたり、近くに居合わせることがあれば、少しほほ笑みながら会釈をしてみたりします。反応があれば「おはようございます」「こんにちは」「暑いですねえ」などと話しかけてみてもいいでしょう。
ステップ3、挨拶(話したことのない同級生や同僚、よく行くカフェの店員など)
お互いに見かけると会釈(えしゃく)や挨拶(あいさつ)をする関係。会話はあっても「暑いですね」程度の状態:「挨拶」をする関係になったら、雑談などの会話をすることを目指します。
たとえば「ここのお店、よく来るんですよ」「いつも早いですね」「最近見かけませんでしたね(笑)」「お近くにお住まいですか?」のように、状況に合っている話題を振ってみるなどです。
ステップ4、知人(近所の人、仕事関係、趣味やサークルなどで会う人)
たまたま居合わせたり、公的な用件があるときにのみ必要な話や雑談をする状態:雑談ができる「知人」の関係になったら、メールアドレスやSNSなどの個人情報を交換して、個人的にやりとりすることを目指します。
共通の話題や趣味など、自然に連絡をとりやすい用件を見つけて、連絡先を交換できる流れを作ってみてもいいでしょう。
ステップ5、軽い友人(用事のついでにお茶をする、以前会ったことがあり、今はメール・SNSだけでつながっている、など)
プライベートな話や雑談をするが、基本的にわざわざ二人で会うことはない状態:メールやSNSでつながっている「軽い友人」の関係になったら、仕事などの用件がなくても二人で会う関係になることを目指します。
お茶や飲み、食事、あるいは趣味やスポーツなどに行くことを相手にもちかけてみる、ということが小テストとなります。
ステップ6、友人(気が合う人、幼なじみ、学生時代からの親友など)
プライベートな話や本音もオープンに話す。用件がなくてもときどき会う関係。しばらく会っていなくても、それほどブランクを感じない状態:用件がなくても二人で会う「友人」の関係になったら、そこに恋愛とか男女という要素を入れることを目指します。
たとえば、二人で会うことを「デート」と呼んでみる、「○○さん(相手の名前)っていいよね」などと思わせぶりなこと言ってみる、二人で日帰り小旅行や夜景を見に行くなどロマンチックなことを提案してみる、などが小テストとなります。
ステップ7、友だち以上恋人未満
デート、甘い言葉、体の接触などの関係がある。相手を異性として意識しているが「対の関係」にはなっていない状態:二人の関係に恋愛の要素が入ったら、次は正式な「恋人」になることを目指します。「今、つきあってる人はいる?」と聞くだけでも、小テストになります。
「○○さんみたいな人が恋人だったらなー」「私(俺)のこと、どう思ってる?」「私(俺)たちって、どういう関係なの?」などと振ってみることで、相手の気持ちはかなり正確に測れるはずです。もし告白したいなら、小テストでほぼイケると確信できてからでいいのです。
ステップ8、恋人
「対の関係」として契約し、第三者に紹介する、報告する状態:「恋人」という公の「対の関係」になった相手との結婚を望んでいるなら、結婚の約束をして「婚約者」という関係になることを目指します。
単刀直入に「結婚願望ってある?」とか「結婚したいと思っているんだ」と言ってみることや、二人の関係について、3カ月後、半年後、1年後など先の話をしてみることが小テストになります。
ステップ9、婚約者
「夫婦」という「対の関係」になる約束をしている状態:結婚の時期を決めて「婚約者」という関係になったら、次は「夫婦」という公の関係になることを目指します。ここまでくれば小テストという段階ではありません。順調に進まないようなら、その原因を取り除き、結婚できるようにしましょう。
ステップ10、夫婦
「夫婦」という公の「対の関係」である状態:結婚している夫婦になったので、関係を進めるための小テストはもう必要ありませんね。
『本当に好きな人とずーっと幸せになる本』(廣済堂出版)より一部引用
以上に挙げた各ステップの小テストでは、相手が次のステップに進もうとするか、しないのかで、相手の「現在の気持ち」がわかります。もし相手が乗り気なら、あなたが次のステップへ進めようという気配を見せた時点で相手からも次に進めようという積極的な姿勢が見られることが多いでしょう。
意気投合した場合など、1日で2つ、3つのステップが進んでしまうことも、よくあります。まさに「どんどん仲良くなる」わけですね。
各ステップにおける次のステップへの上手な進め方は、いろいろな本やサイトがありますので参考にしてみましょう。これらの小テストはアプローチでもあるので、止まっていた二人の関係が進む可能性も大いにあります。
しかし、小テストをした結果、相手の反応がよくなくて、次のステップに進めなかったときには、どうしたらいいのでしょう?
私たちがしてしまいがちな失敗と、先のステップに進むためのコツは、またの機会にご紹介します。
※画像は本文と関係ありません
<著者プロフィール>
ANNA
恋愛研究者。学生時代より都内のキャバクラ、六本木、銀座の有名クラブなどでホステスとして活躍。また合コン、お見合いパーティー、ホストクラブなどで実習に励み、合計約5000人の男性と会話した経験を持つ。著書に『本当に好きな人とずーっと幸せになる本』(廣済堂出版)、『大好きな人が振り向いてくれる本』『大好きな人がどんどん好きになってくれる本』(大和出版)、『どうしても忘れられない彼ともう一度つきあう方法』(すばる舎)など。ブログ「愛し体質は、愛され体質」