経済産業省は28日、2015年12月の商業動態統計速報(旧商業販売統計速報)を発表した。それによると、小売業販売額(全店ベース、以下同)は前年同月比1.1%減の13兆3,640億円となり、2カ月連続で前年を下回った。季節調整済前月比でも0.2%減少した。

商業動態統計速報2015年12月(出典:経済産業省Webサイト)

2015年の小売業販売額は4年ぶり減少

自動車小売業は軽自動車や輸入車が低迷。燃料小売業も原油安の影響を受けて不調だったほか、暖冬の影響で機械器具小売業が伸び悩んだ。これらの動きを踏まえ、同省は小売業の基調判断を「一部に弱さがみられるものの横ばい圏」に据え置いた。

卸売業販売額は前年同月比3.7%減の28兆6,530億円と、6カ月連続の減少。卸売業と小売業を合わせた商業販売額は同2.9%減の42兆170億円と、5カ月連続で減少した。

2015年の小売業販売額は前年比0.4%減の140兆6,740億円と、4年ぶりの減少。卸売業販売額は同2.5%減の319兆5,510億円と、3年連続の増加。商業販売額は前年比1.8%減の460兆2,240億円と、3年連続で増加した。

同省は、小売業販売額が4年ぶりに減少した要因について「石油製品の価格低下による燃料小売業の減少が大きい。また、1~3月期に機械小売業が消費税率引き上げ前の駆け込み需要に伴う反動で減少したことも影響した。ただし通年でみると消費自体はそれほど悪いといった状況ではない」と分析している。