Mozillaは1月26日(米国時間)、Webブラウザ「Firefox 44」(Windows、Mac、Linux)の正式版をリリースした。Webサイトからのプッシュ通知に対応、HTTPS接続で新しい圧縮アルゴリズム「Brotli」をサポートする。

Webサイトのプッシュ通知はオプトイン形式になっており、対応するWebサイトを開いた状態でアドレスバー左側のコントロールセンターから通知を許可する。その後はコントロールセンターまたは設定内の「コンテンツ」→「通知」で管理する。プッシュ通知機能を有効にすると、Firefoxが動作していれば、対応するWebサイトを閉じていてもサイトからの通知を受け取れる。WebメールやSNSサイトを開いたままにしておく必要が無くなり、PCのパフォーマンスやバッテリー動作時間にも影響するメモリーの浪費を抑えられる。

Brotliは、HTTPS接続において効率的に高い圧縮率を実現するロスレスの圧縮アルゴリズムだ。通信速度が高速になり、ページ表示が短縮され、モバイルデバイスのバッテリー動作時間の伸びにもつながると期待されている。Firefox以外では、GoogleがChromeへの実装を進めている。

H.264対応も改善された。システムデコーダを備える場合はH.264が有効になり、MP4/H.264がサポートされていないシステムではWebM/VP9が有効になる。

セキュリティ面では、ここ数年の間にいくつかの脆弱性が指摘されていたストリーム暗号アルゴリズムRC4の解読サポートが取り除かれた。対応する暗号方式がRC4のみの場合、警告が表示される。他にも、Webサイトの証明書エラーや接続の安全性が確認できない場合に表示される警告画面を改善。Microsoftの新しい署名要件に合わせて、Windows向けにSHA-256で署名された証明書を用意した。

開発者向けには、ビジュアル編集ツールが強化され、新しいメモリー管理ツールが加わった。アニメーション向けのビジュアルツールでは、インスペクタから直接CSSアニメーションのキーフレームルールを表示/編集でき、3次ベジェ曲線を視覚的に編集できる。レイアウトおよびスタイル向けのビジュアルツールでは、ビューポートと共にものさしを表示でき、測定ツールを用いてスペーシングやアラインメントの問題を簡単に見つけ出せる。またCSSフィルタを用いて、ドロップシャドウやセピアといったリアルタイムエフェクトのプレビューや作成が可能になった。新しいメモリーツールでは、スナップショットからヒープ領域を分析できる。