「スーパー戦隊」シリーズの最新作となる『動物戦隊ジュウオウジャー』のお披露目イベント「プレミア発表会」および製作記者会見が23日、東京ドームシティ・プリズムホールで行われ、シリーズ40作目にあたる最新ヒーローの門出を祝福すべく、歴代「レッド」戦士たちが大集合した。

歴代「レッド」戦士とジュウオウジャーの夢の共演が実現

1975年4月、『仮面ライダー』や『人造人間キカイダー』で知られる漫画家・石ノ森章太郎氏が原作を務めた特撮TVドラマ『秘密戦隊ゴレンジャー』の放送が開始された。それまで変身ヒーロー(仮面ヒーロー)は一人で悪と戦うのが基本スタイルだったが、『ゴレンジャー』では赤、青、黄、桃、緑の5色に色分けされたヒーローがチームプレーで戦う「集団ヒーロー」として、子どもたちから大人気を集めるヒット作となった。

熱血漢でリーダーのアカレンジャー、クールでメカの操縦に長けたアオレンジャー、カレー好きの力持ちで無線機の専門家・キレンジャー、紅一点にして爆弾のプロフェッショナル・モモレンジャー、最年少で身軽なミドレンジャーと、5人の強烈な個性がさまざまな局面で発揮され、クライマックスに5人そろい踏みで「5人そろってゴレンジャー!」と名乗りをあげるシーンが大いに受け、番組は約2年間ものロングラン放送を成し遂げた。

『ゴレンジャー』の好評を受け、同じく石ノ森氏原作で『ジャッカー電撃隊』(1977年)が作られたあと、シリーズは一度中断。しかし1979年に、八手三郎氏原作で「集団ヒーロー+巨大ロボット」という盛りだくさんなフォーマットを取り入れて製作された『バトルフィーバーJ』がヒットし、続く『電子戦隊デンジマン』(1980年)で再びシリーズの流れができあがった。以来、現在まで基本1年に1作のペースで絶え間なく作品が作られ、今回の『ジュウオウジャー』でついに40作を数えるに至る。

今年は、日本を代表する特撮ヒーローの雄「仮面ライダー」シリーズが45周年、そして円谷プロの「ウルトラマン」シリーズが50周年という節目を迎えるメモリアルイヤーだが、両シリーズには幾度かの「空白期間」が存在し、世代によっては子ども時代にオンタイムでそれぞれのヒーローを体験していない人たちもいたりする。その点、「スーパー戦隊」は約40年もの間、切れ目なく放送されている強みがある。現在、社会に出て活躍している20~40代の大人たちにとって、少なくとも一つくらいは子ども時代に見て強烈な印象を受けた「思い出の『戦隊』ヒーロー」が存在するといっても、決して過言ではないだろう。

『ジュウオウジャー』製作会見および23日、24日に催された恒例の「新番組プレミア発表会」の舞台には、アカレンジャー(『秘密戦隊ゴレンジャー』)からアカニンジャー(『手裏剣戦隊ニンニンジャー』)までの歴代39作の「レッド戦士」が登場。子どもを連れて会場に来ていたお父さん、お母さんたちが自分の子ども時代に憧れた戦隊ヒーローを見つけると、興奮気味に拍手を送る光景も見られた。

歴代レッド戦士は、それぞれの決めポーズと共にステージに現れ、勇ましく名乗りを上げながら次々に整列していく。「スーパー戦隊」シリーズでは、デンジレッド(『電子戦隊デンジマン』/1980年)やレッドワン(『超電子バイオマン』/1984年)、レッドマスク(『光戦隊マスクマン』/1987年)、レッドレーサー(『激走戦隊カーレンジャー』/1996年)など各メンバーの名前にパーソナルカラーが入るのがポピュラーなネーミングパターンとして挙げられる。

しかし、『ジュウオウジャー』ではジュウオウイーグル、ジュウオウシャーク、ジュウオウライオン、ジュウオウエレファント、ジュウオウタイガーと、色でなくモチーフとなった動物の名前がメンバーにあしらわれている。動物ネーミングの元祖は、第5作『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)のバルイーグル(シャーク、パンサー)で、このパターンは『超獣戦隊ライブマン』(1987年)のレッドファルコン、『鳥人戦隊ジェットマン』(1991年)のレッドホークなどに継承されていく。

ほかにも、トランプのカードをモチーフにしたスペードエース(『ジャッカー電撃隊』)、世界の5大陸を代表する戦士として、国名・地域名を盛り込んだバトルジャパン(『バトルフィーバーJ』)、伝説獣のチェンジドラゴン(『電撃戦隊チェンジマン』/1985年)、古代の恐竜や哺乳類をモチーフにしたティラノレンジャー(『恐竜戦隊ジュウレンジャー』/1992年)、電車モチーフならではのトッキュウ1号(『烈車戦隊トッキュウジャー』/2014年)など、各戦隊の特性により多種多様なネーミングパターンが考案されている。

地球の平和を守るため、仲間との友情と団結を最大の武器にして巨大な悪と戦った歴代39スーパー戦隊。その思いを託され、いよいよ戦いの舞台に立つことになったジュウオウジャー5人の活躍に、大きな期待が寄せられる。

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