説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『「メディカルID」は登録したほうがいいですか?』という質問に答えます。

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メディカルIDは、持ち主の健康情報を登録しておく緊急時のための機能です。パスコードや指紋によるユーザ認証なしに持ち主の健康関連情報を閲覧できるため、突然の事故で緊急入院した場合などに役立ちます。ロック画面で左方向へフリックして「緊急」ボタンをタップ、次に画面左下の「メディカルID」ボタンをタップすれば表示できます。

登録したほうがいいかどうかですが、正直なところ微妙な部分はあります。メディカルIDには既往症やアレルギーの有無といった情報を登録でき、出張先で意識不明のまま突然入院したときなど役立ちそうですが、うっかり紛失したときには個人情報が流出する危険を伴います。

メディカルIDに登録できるのは、自分の健康情報だけではありません。配偶者など親密な関係にある人物/組織に関する欄があり、そこには名前と電話番号を登録できます。もし紛失したiPhoneがメディカルIDの存在を知る悪意の人物の手に渡ったら……なにかよからぬことが起きそうです。

それに、医療関係者がメディカルIDの存在を知っているかどうかという問題があります。一刻一秒を争う容態の場合、iPhoneどころではないという事情もあるでしょう。財布の中から身分を確認できるものを探すほうが優先するでしょうし、医療関係者に必ず伝えたい既往症がある場合は、iPhoneよりも目に付く場所にメモを入れておくほうが効果的なのではないでしょうか。

とはいうものの、メディカルIDの存在を知る医療関係者がいたら大きな効果を期待できます。配偶者や勤務先の了解をもらったうえで記載するのならば、問題はないでしょう。

メディカルIDは緊急医療に役立つ反面、紛失時はロック解除なしに個人情報を知られてしまうというデメリットがあります