バンクオブアメリカ・メリルリンチはこのほど、2015年1月のファンドマネージャー調査の結果を発表した。それによると、中国の成長への懸念が強まる中、投資家の世界経済見通しへの自信が大きく後退しているという。
最大の「テール・リスク」は中国の成長減速
世界経済の見通しについては、今後12カ月間に「強まる」と予想するファンドマネージャーは8%と、2012年以降で最も低くなった。その一方で、今後12カ月間に「景気後退入りする」と考える回答者は12%にとどまった。
最大の「テール・リスク」は、中国の成長減速とみる回答者が圧倒的多数を占めた。また、今後12カ月間に世界の企業利益が「減少する」と答えた割合が「増加する」と答えた割合を上回り、利益見通しは約3年ぶりのマイナスに転じたという。
平均キャッシュ比率は5.4%と、2009年以降で3番目となる高水準を記録。今回の調査では38%の投資家がキャッシュをオーバーウェイトしたという。また、株式をネットベースでオーバーウェイトとしている回答者は前月の42%から21%に半減したのに対し、債券のアンダーウェイトは減少した。
グローバル新興国株への弱気は過去最高水準まで強まった一方、最も選好されている株式市場は引き続き欧州と日本となった。