四半期ごとのテレビ番組改編期に、いつも頭を悩ませる問題がある。「今期どのアニメを見ればいいのか」という問題だ。なにせ、新作の深夜アニメが週に30本以上もあるのだ。仕事もプライベートも忙しく、家族もいる平均的なビジネスマンとしては、毎週30本ものアニメを見る時間などない。でも、後に傑作と呼ばれるかもしれない作品を見逃すわけにはいかない。毎度、強烈なジレンマに襲われる。
出演シーンからCMまでをリストアップ
そんなアニメファンにとって嬉しいサービスが誕生した。東芝が液晶テレビREGZAを対象に昨年スタートした「みるコレ」だ。かつて、HDDレコーダー「RDシリーズ」を手掛け、熱烈なRDファンから "録画神" とも呼ばれるようになった片岡秀夫氏 (現・東芝ライフスタイル ビジュアルソリューション事業本部VSクラウド&サービス推進室室長) が開発したものだ。自他共に認めるアニメマニアでもある片岡氏に、「みるコレ」を通じたジャパニーズコンテンツへの思いと、東芝のテレビ事業に対する思いを聞いた。
「みるコレ」は、音楽配信サービスにおけるプレイリストのいわば映像コンテンツ版と言える。タレント名やアーティスト名だけでなく、ジャンルやテーマに沿った「みるコレ パック」が5万件以上用意されており、リストから選ぶだけで録画済み番組再生、YouTube動画再生、録画予約が1つの画面上で行える。自分で好きなパックを作ることも可能だが、テレビという特性上、文字を入力するのはなかなか面倒なので(レグザは音声入力もあるが)、あらかじめ東芝側で用意しているものだ。
みるコレに対応するREGZAは、Z20X/J20X/G20X/ Z10X/J10X/J10/Z9X/J9X/G9/Z8X/Z8/J8/Z7/J7シリーズ。写真は、4K REGZA最上位モデルのZ20Xシリーズ |
片岡氏:「みるコレ パック」の概念は、ある種のファンクラブみたいなものです。アイドルのAさんが好きならば、その人が出演する番組や情報は全て知りたいというのがファン心理。しかし、それを一元的に入手し、録画・視聴する手段はありません。EPG(電子番組表)情報には出演する番組しか載っていませんから。「みるコレ パック」では、出演番組だけでなく、CMやYouTube動画もリストアップします。CMは同じものがあってもダブらずに1つだけを再生できます。さらに、録画済み番組に対しては、本人登場分だけを切り取って再生する「シーン再生」機能もあります。ほうっておくと、本人登場シーンだけを連続再生します。
何時間も放映する特番の場合、録画した中からお気に入りのアーティストや芸人を探すのは一苦労だ。歌番組だけでなく、バラエティ番組でも好きなタレントの登場シーンだけをピックアップして見られるのはファンにとって便利この上ない機能だろう。なおこれは、外部から秒刻みのメタデータを購入することで実現している機能である。